2016.1.9 第662回放送分 『小児ワクチン』 ゲスト:南 武嗣ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「小児ワクチン」について、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターにお話を伺ってまいります。
南さん、今週もよろしくお願いいたします。

南武嗣Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、感染症を予防するのに、安全で確実性の高い方法がワクチンであるというお話をお伺いしました。

南武嗣Dr: はい。
小児ワクチンの目的はさまざまな感染症から子どもたちを守ることです。
特に乳児は感染症に対する免疫が未発達のため、ひとたびかかってしまうと、重症化しやすく、入院が必要になったり命にかかわったりする場合があります。
ですから、病気にかかりやすい時期になる前にあらかじめワクチンで十分な免疫をつけておくことが大切なのです。

二見いすず: そうなんですね。
赤ちゃんはいつ頃から病気にかかりやすくなるのでしょうか。

南武嗣Dr: 赤ちゃんは、へその緒を通じてお母さんから免疫をもらいますが、このお母さんからもらう免疫すなわち病気の抗体は、生後4ヵ月から6ヵ月くらいまでにはなくなります。
ですから、病気にかかるリスクを考えて、初めてのワクチンは生後2ヵ月の初日に始めましょう。

二見いすず: わかりました。
小児ワクチンは、生後2ヵ月からですね。

南武嗣Dr: はい。
可能であれば妊娠中に小児科を探し始めて、1ヵ月検診が終わったら実際に小児科に問い合わせてみると、2ヵ月からスムーズに小児ワクチンを始められると思います

二見いすず: かかりつけの小児科を早めに見つけておくことも大切なのですね。

南武嗣Dr: はい。
かかりつけの小児科は母子健康手帳をもとに予防接種のスケジュールなどの相談にのってくれるところがおすすめです。
早めに予防接種の準備を始めて、小児科医の診察を受けておけば、健診で見つけにくい病気や健診後に発症した病気についても発見が遅れずに済むはずです。

二見いすず: わかりました。
ところで予防接種には、定期接種と任意接種の2種類がありますが、定期接種は重要度が高く、任意接種はその次…ということなのでしょうか。

南武嗣Dr: いいえ、そうではありません。
任意接種で防ぐことができる感染症には、大きな流行を引き起こしている病気もあり、重症化が心配されるものも少なくありません。
任意接種は費用がかかりますが、ぜひ接種していただきたいものばかりです。

二見いすず: 定期接種はもちろんですが、任意接種もぜひ受けてほしいということですね。

南武嗣Dr: はい。
そうですね。
せっかくワクチンという有効な手段があるのですから、大切なお子さんを感染症から守るために、できるだけベストのタイミングで定期接種と合わせて、任意接種も受けていただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
ワクチンの接種は生後2ヵ月からということです。
そして、定期接種、任意接種ともに受けていただきたいということでした。
来週も引き続き小児ワクチンについて詳しく伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
南さん、ありがとうございました。

南武嗣Dr: ありがとうございました。