2016.1.23 第664回放送分 『小児ワクチン』 ゲスト:南 武嗣ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「小児ワクチン」について、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターにお話を伺っております。
南さん、今週もよろしくお願いいたします。

南武嗣Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、小児ワクチンはワクチンの種類によって、接種する年齢や回数、間隔がそれぞれ違うということを伺いました。

南武嗣Dr: はい。
例えば生後2ヵ月から接種できるヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンは、生後6ヵ月までに3回接種し、その後1歳から4回目の接種が可能です。
また生後3ヵ月から接種できる四種混合ワクチンは、生後9ヵ月までに3回接種し、その後1歳から4回目の接種が可能になります。
このようなワクチンは4回目の接種によって、十分な免疫力をつけることが期待できますが、1歳以降の追加接種率は0歳児の接種率より低いことが報告されています。

二見いすず: そうなんですか。
1歳になると健診の回数が減少して、小児ワクチンの接種もついつい忘れがちになるのでしょうか。

南武嗣Dr: そうですね。
1歳は小児ワクチンの再デビューと考えて、追加接種のワクチンだけでなく、新しいワクチンも合わせて接種していただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
では、1歳になって新しく接種するワクチンにはどのようなものがあるのでしょうか。

南武嗣Dr: 麻疹・はしかと風疹を予防するMRワクチン、水ぼうそうワクチン、おたふくかぜワクチンの3種類があります。
中でも麻疹・はしかと風疹を予防するMRワクチンは、1歳と小学校に入る入学前の2回接種しますが、小学校入学前のお子さんが接種する2期において、鹿児島県のMRワクチン接種率は全国最下位です。

二見いすず: 全国最下位…。
それは非常に残念ですね。

南武嗣Dr: はい。
麻疹・はしかは、昨年、全国的に流行しました。
1歳と小学校入学前のお子さんにはぜひ早めの接種をおすすめいたします。

二見いすず: わかりました。
他のワクチンについてはいかがでしょうか。

南武嗣Dr: 水ぼうそうやおたふくかぜは、保育園や幼稚園でよく流行する病気で、かかると感染防止のため1週間以上休まなくてはいけません。
また、おたふくかぜワクチンは任意接種ですが、感染することで無菌性髄膜炎や難聴になるおそれもありますので、決して軽視できない病気です。
MRワクチン、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチンは、3種同時接種も可能ですので、詳しくはかかりつけの小児科医にご相談ください。

二見いすず: よく分かりました。
1歳はワクチンの再デビューと考えて、免疫力を高める追加接種とともに、新しいワクチンを接種して、お子さんの感染症をあらかじめ予防してください。
来週も引き続き小児ワクチンについて、詳しくお話を伺ってまいります。
鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
南さん、ありがとうございました。

南武嗣Dr: ありがとうございました。