二見いすず: ドクタートークは、「小児ワクチン」について、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターにお話を伺っております。
南さん、今週もよろしくお願いいたします。

南武嗣Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週は小児ワクチンについて、最近のトピックスをお話いただけますか。

南武嗣Dr: はい。
現在、任意接種であるB型肝炎ワクチンが、早ければ平成29年度から定期接種化される見通しです。
B型肝炎は血液や体液を通して感染するため、これまでも母親が感染している場合は母子感染予防として健康保険で接種が行われていましたが、近年は日常生活の中で汗や唾液、涙などから感染したとみられる事例が報告されています。
また、慢性化しやすいタイプのウイルスが増えている点からも、厚生労働省はすべての0歳児を対象に、合わせて3回の定期接種化を検討しています。

二見いすず: よく分かりました。
他のワクチンはいかがでしょうか。

南武嗣Dr: 2011年の導入開始以来、ロタウイルスワクチンが効果を上げております。
実際に私のクリニックではロタウイルスにかかった患者さんが10分の1以下に減っています。
ロタウイルスワクチンは任意接種ですが、市町村によっては、一部公費負担となっています。

二見いすず: わかりました。
定期接種、任意接種にかかわらず、小児ワクチンには有効性が認められたものが多いということなのですね。
ところで、子どもの体調や体質によっては、ワクチンが受けられないケースもあるのでしょうか。

南武嗣Dr: まずワクチンの成分に対して、極めて強いアレルギーがある場合、そのワクチンの接種はできません。
また、先天性免疫不全などの病気や免疫を抑える薬を使用している場合は主治医との相談が必要です。

二見いすず: わかりました。
風邪気味の場合はどうでしょうか。

南武嗣Dr: 軽い鼻水やせきがあっても接種はできます。
判断に迷ったらかかりつけの小児科医にご相談ください。

二見いすず: そうですね。
では、副反応についてはいかがでしょうか。

南武嗣Dr: 接種したところが赤く腫れたり、少し熱が出る程度の軽い副反応がほとんどです。
しかし、これらも必ずしもワクチンが原因だと断定できない場合も多いのです。
ワクチンの利益と副反応のリスクを正しく理解・比較した上で、接種を検討していただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
大切なお子さんの健康を守るためにも、小児ワクチンの利益と副反応のリスクを正しく理解した上で、接種を検討していただきたいというお話です。
小児ワクチンの接種については、ぜひお近くの小児科医にご相談ください。
5週にわたり、小児ワクチンについて貴重なお話を伺ってまいりました。
鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
南さん、どうもありがとうございました。

南武嗣Dr: ありがとうございました。