2016.2.6 第666回放送分 『学校保健』 ゲスト:鹿島 直子ドクター



二見いすず: 2月になりました。
今月のドクタートークは、「学校保健」について鹿児島県医師会の鹿島直子(かしまなおこ)ドクターにお話をお伺いいたします。
鹿島さん、どうぞよろしくお願いいたします。

鹿島直子Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: まず、学校保健というのはどういうものなのか、あらためて教えていただけますでしょうか。

鹿島直子Dr: 二見さんは学生時代に健康診断をお受けになったことがありますよね。

二見いすず: はい。
毎年、新年度になると健康診断が行われていたという記憶があります。

鹿島直子Dr: 皆さんにとって身近な学校健診も学校保健の取り組みの一貫です。
学校保健安全法という法律に規定されています。
実はこの学校保健安全法の施行規則が今回一部改正となり、平成28年4月から学校健診の内容が一部変更されます。

二見いすず: そうなんですか。
学校健診はどのように変わるのでしょうか。

鹿島直子Dr: まず、座高測定と寄生虫卵検査が必須項目から削除されました。
ただし、寄生虫卵検査の検出率には地域性があり、地域によっては検査の実施や衛生教育の徹底などに取り組む必要があると考えられています。
また、児童生徒の発育を評価するうえで身長、体重の成長曲線が積極的に活用されることになりました。

二見いすず: わかりました。
では、新しく導入される検査項目はあるのでしょうか。

鹿島直子Dr: 関節や筋肉、骨などに異常がないかを調べる整形外科的な検査が新しく導入されます。
現代は運動不足でしゃがむことができない子どもやクラブ活動などの練習のし過ぎでスポーツ障害を発症する子どもが増えています。

二見いすず: 整形外科的な検査を導入することによって、子どもたちの運動器不全やスポーツ障害を早期発見できるということですね。

鹿島直子Dr: そうですね。
側わん症も早期にわかれば治療ができます。
また、もう一点、学校健診でぜひお母様方に留意していただきたい項目があります。
それは色覚検査です。

二見いすず: はい。
詳しくお願いいたします。

鹿島直子Dr: 色覚検査は、平成15年度に学校健診の必須項目から削除されましたが、児童生徒が自身の色覚の特性を知らずに進学や就職で不利益を受けるという実態が多く報告されています。

二見いすず: それはつらいですよね。

鹿島直子Dr: そうですよね。
色覚検査の重要性が再認識されたことで、平成28年度から学校検診で色覚検査が再開されることになりました。
ただし、児童生徒ご本人と保護者の方の同意が必要です。
お子さんの将来のために、ぜひ一度は色覚検査を受けることをおすすめいたします。

二見いすず: よくわかりました。
来週も学校保健について詳しくお話を伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の鹿島直子(かしまなおこ)ドクターでした。
ありがとうございました。

鹿島直子Dr: ありがとうございました。