2016.3.5 第670回放送分 『花粉症』 ゲスト:上野 員義ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、「花粉症」についてお送りいたします。
前半の2回は、鼻・耳鼻咽喉科の領域について、後半の2回は眼・眼科の領域についてお話をお伺いいたします。
まず前半の2回は、耳鼻咽喉科専門医である鹿児島県医師会の上野員義(うえのかずよし)ドクターにお話をお伺いいたします。
上野さん、どうぞよろしくお願いいたします。

上野員義Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 3月になり、花粉症の話題を耳にすることが多くなりました。

上野員義Dr: はい。
花粉症の代表的なものに「スギ・ヒノキ花粉症」があります。
鹿児島県では、スギ花粉が通常2月初旬に飛び始め、3月初旬に飛散のピークを迎えます。
また、鹿児島県はヒノキ花粉の飛散も多いのが特徴で、4月下旬頃までシーズンが続きます。

二見いすず: そうですか。
まさに3月は花粉症のピークだということですね。
花粉症といいますと、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状が代表的ですが、もともとアレルギーがなかった人も突然発症すると聞いたことがありますが、これはなぜなのでしょうか。

上野員義Dr: はい。
花粉症には、3つのキーワードがあります。
それは、「体質」「感作」「発症」です。

二見いすず: 「体質」「感作」「発症」というキーワードですね。

上野員義Dr: はい。
遺伝的にアトピー「体質」の人が、ある期間、花粉を吸入しますと、血液中のリンパ球がサイトカインというタンパク質を過剰に生産するようになります。
この時期を「感作」と言います。
この感作期間の後にリンパ球がまた別のサイトカインを過剰産生することによって、花粉症が「発症」します。

二見いすず: もともと花粉症になりやすい体質の方が花粉を吸入しつづけると、感作という状態になり、その後、発症に至るということですね。
では、花粉症になってしまったら、どのようなことに気をつけて日常生活を送ればいいのでしょうか。

上野員義Dr: はい。
基本の花粉症対策は、花粉を吸い込まない、家に持ち込まないということです。

二見いすず: わかりました。
では、具体的な対策方法を教えていただけますか。


上野員義Dr: まず、テレビやインターネットなどで花粉情報をチェックして、飛散が多い時は、なるべく外出を控えることをおすすめいたします。

二見いすず: わかりました。

上野員義Dr: 外出する時は、花粉を吸い込まないようにマスクやメガネをつけること、帰宅時には、花粉を家に持ち込まないように、玄関前で服についた花粉を払うなどの工夫が必要です。
また、洗濯物や布団を外に干すと、花粉がついてしまうので、気をつけてください。

二見いすず: 体調管理についてはいかがですか。

上野員義Dr: ストレス、睡眠不足、過剰な飲酒、喫煙などは、確実に花粉症を誘発、悪化させます。
朝ごはんをおいしくいただけるような規則正しい生活を心掛けることも大切ですね。

二見いすず: よくわかりました。
来週も花粉症についてお話を詳しく伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の上野員義(うえのかずよし)ドクターでした。
ありがとうございました。

上野員義Dr: ありがとうございました。