2016.3.19 第672回放送分 『花粉症』 ゲスト:内野 英輔ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、「花粉症」について伺っております。
前回までの2回は、耳鼻咽喉科領域の花粉症について伺いました。
今週からは眼科領域の花粉症について、鹿児島県医師会の内野英輔(うちのえいすけ)ドクターにお話をお伺いいたします。
内野さん、どうぞよろしくお願いいたします。

内野英輔Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: スギ花粉、ヒノキ花粉が飛ぶ3月は花粉症のピークの時期ですが、花粉症になると、眼にもつらい症状があらわれますよね。

内野英輔Dr: 眼科領域の花粉症はアレルギー性結膜炎の一種で、季節性アレルギー性結膜炎と呼ばれています。

二見いすず: はい。

内野英輔Dr: 日本眼科医会の調査では眼にかゆみを感じたことがある方は約20%、現在、全国で約2000万人の花粉症患者さんがいると言われています。

二見いすず: 全国でおよそ2000万人ということで、いまや花粉症が国民病と言われているのも納得できますね。

内野英輔Dr: 花粉症、とりわけスギ花粉症は、毎年多くの方が発症されています。
もちろん、花粉症の原因はスギだけではありません。
ヒノキ、ブタクサ、ヨモギや、カモガヤといったイネ科の雑草なども原因となり、一年を通して何らかの花粉症が発症する可能性があります。

二見いすず: 花粉症というと、スギ花粉のイメージが強いのですが、ほかにも原因となる花粉がたくさんあるんですね。

内野英輔Dr: はい。
花粉症になる時期によって、ご自分でもある程度は原因が予測できるかもしれませんが、正確な原因を確認したい方は、医療機関でテストを受けることができます。

二見いすず: はい。
原因が分かると、対処もしやすくなりますね。
ところで、花粉症になると眼にはどのような症状があらわれるのでしょうか。

内野英輔Dr: かゆみが最も代表的な症状です。
眼そのものがかゆく感じる場合もありますが、まぶたやまぶたのふちなどの部分に特に症状があらわれやすく、かけばかくほど症状が強くなることもあります。

二見いすず: それはつらそうですね。
かゆみ以外にも症状がありますか。

内野英輔Dr: はい。
かゆみに加えて、涙が出る、まぶたが腫れぼったくなるなどの症状があります。
目やにはあまり多くありませんが、眼がゴロゴロする、かすむ、まぶしくなる、痛みを感じるなどの症状があらわれる方もいらっしゃいます。

二見いすず: ひとくちに花粉症といってもさまざまな症状があるのですね。

内野英輔Dr: 花粉によるアレルギー性結膜炎は原因が特定できますので、ある季節に毎年起こること、程度の差はあっても両方の眼に生じることも特徴です。
気になる症状がある方は、ぜひ一度眼科医にご相談ください。

二見いすず: わかりました。
毎年、同じ時期、それも両眼に、かゆみなどの症状があらわれたら、花粉症の可能性があるということですね。
気になる症状がある方はぜひお近くの眼科を受診なさってください。
来週は花粉症の治療法や対策について詳しくお話をお伺いいたします。
お話は鹿児島県医師会の内野英輔(うちのえいすけ)ドクターでした。
内野さん、どうもありがとうございました。

内野英輔Dr: ありがとうございました。