2016.4.2 第674回放送分 『食物アレルギー』 ゲスト:今村直人ドクター



二見いすず: 4月になりました。
今月のドクタートークは、「食物アレルギー」について鹿児島県医師会の今村直人(いまむらなおと)ドクターにお話をお伺いいたします。
今村さん、どうぞよろしくお願いいたします。

今村直人Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: まず、食物アレルギーとは、どのような病気なのでしょうか?

今村直人Dr: 私たちの体には、体内に侵入してきた異物に対して抗体をつくり、これらを攻撃して体を守ろうとする働きがあります。
この働きが、ある特定の物質に対して過剰に反応してしまうのがアレルギー反応です。

二見いすず: はい。

今村直人Dr: 食物アレルギーの場合、食べ物に含まれる主にタンパク質が異物・アレルゲンと認識されて、症状が引き起こされます。

二見いすず: 食べ物によって引き起こされる食物アレルギーは、特に小さなお子さんに多いと聞いたことがあります。

今村直人Dr: はい。
食物アレルギーは子どもから大人まで幅広く認められていますが、6歳以下の乳幼児が患者数の8割近くを占めています。
特に1歳未満の乳児では10人〜20人にひとりくらいが発症しています。

二見いすず: 1歳未満のお子さんの10人〜20人にひとりが食物アレルギーを発症しているということですね。
小さなお子さんに多いのは、何か原因があるのでしょうか。

今村直人Dr: はい。
小さなお子さんは成長段階でまだ消化機能が未熟であり、アレルゲンであるタンパク質を小さく分解することができないのが一つの要因だと考えられています。

二見いすず: 小さなお子さんは、成長段階であり、消化機能が未熟だということですね。

今村直人Dr: はい。
成長に伴って消化吸収機能が発達してくると、アレルギーの原因である食物に対しても耐性がつき、食べられるようになる可能性も高いのです。

二見いすず: そうなんですか。
乳幼児期に発症した食物アレルギーは、成長に伴い、治る可能性も高いということですね。

今村直人Dr: はい。
そうですね。
例えば、乳児期の食物アレルギーで最も多いのが卵アレルギーです。
その多くは成長とともに自然と治っていきます。
ただし、食物アレルギーの中には大人になっても症状が続くものもあります。

二見いすず: そうなんですね。

今村直人Dr: 一般に学童期以降に増えてくるエビ・カニアレルギーや魚介類のアレルギーは治りにくいとされています。

二見いすず: 特定の食べ物を食べて、気になる症状があったら、食物アレルギーが疑われるのでしょうか。

今村直人Dr: 何か食べた後に湿疹などの症状が出た場合でも、食物アレルギーだと自己判断し、勝手に食事の制限などを行うのはよくありません。
お子さんやご自身に気になる症状がありましたら、まずはかかりつけの小児科や内科を受診してください。

二見いすず: よくわかりました。
食物アレルギーだと自己判断をして、勝手に食事の制限などを行うのはよくないということです。気になる症状がありましたら、まずはかかりつけの小児科や内科を受診されてください。
お話は鹿児島県医師会の今村直人(いまむらなおと)ドクターでした。
ありがとうございました。

今村直人Dr: ありがとうございました。