2016.4.9 第675回放送分 『食物アレルギー』 ゲスト:今村直人ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「食物アレルギー」について鹿児島県医師会の今村直人(いまむらなおと)ドクターにお話を伺っております。
今村さん、今週もよろしくお願いいたします。

今村直人Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、食物アレルギーとは、特定の食べ物を食べたときに体を守る免疫システムが過敏に働き、アレルギー症状が起こることだと伺いました。
0歳の赤ちゃんから成人まで幅広く見られるという食物アレルギーですが、特に成長段階で消化機能が未熟な小さなお子さんに多いということでしたね。

今村直人Dr: はい。
そうですね。
乳幼児の食物アレルギーの主な原因は、卵、牛乳、小麦の3つのアレルゲンです。

二見いすず: 卵、牛乳、小麦、これが3つのアレルゲンですね。

今村直人Dr: はい。
学童期以降になると、エビ、カニなどの甲殻類や果物類、ピーナッツ、そばなども原因食物としてあげられます。

二見いすず: 原因となる食べ物に個人差があるように、食物アレルギーの症状にも個人差があるのでしょうか?

今村直人Dr: はい。
人によってさまざまな症状があらわれます。
最も多いのはじんましん等の皮膚症状で、かゆみ、赤みなども見られます。
これらの皮膚症状は患者さんの約9割に見られます。

二見いすず: じんましん、かゆみ、赤みなどの皮膚症状ですね。

今村直人Dr: 皮膚症状の次に多いのが、呼吸器症状です。
息が苦しい、咳、ゼーゼーする、のどが詰まった感じなどの症状があらわれます。

二見いすず: つらそうですね。

今村直人Dr: また、唇や口の中、まぶたなどが腫れる粘膜症状や、お腹が痛いとか、吐き気、嘔吐などの消化器症状があらわれることもあり、その程度はさまざまです。

二見いすず: 例えば、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするというお子さんがいらっしゃいますが、この場合も食物アレルギーの可能性があるのでしょうか。

今村直人Dr: 牛乳を飲んでお腹がゴロゴロしたり、下痢をしたりするのは、牛乳に含まれる乳糖という成分を分解できないために起きる乳糖不耐症というもので、食物アレルギーとは分けて考える必要があります。

二見いすず: そうなんですね。

今村直人Dr: はい。
乳糖不耐症は、食物アレルギーと間違われやすい病気です。
また、細菌やウイルスなどの病原微生物感染による感染性胃腸炎や毒キノコ、フグなどの毒性成分による中毒症状も食物アレルギーには含まれません。

二見いすず: なるほど。
食物アレルギーと間違われやすい病気もあるということで、どうぞ気をつけてください。
来週も食物アレルギーについてお話を詳しく伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の今村直人(いまむらなおと)ドクターでした。
ありがとうございました。

今村直人Dr: ありがとうございました。