2016.4.16 第676回放送分 『食物アレルギー』 ゲスト:今村直人ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「食物アレルギー」について鹿児島県医師会の今村直人(いまむらなおと)ドクターにお話を伺っております。
今村さん、今週もよろしくお願いいたします。

今村直人Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週は、食物アレルギーのタイプについてお話をお願いいたします。

今村直人Dr: はい。
食物アレルギーは、食後2時間以内に体中が赤くなったり、じんましんが出たりする即時型の反応が典型的です。
また、その他に食物アレルギーが関与する乳児アトピー性皮膚炎、新生児・乳児消化管アレルギーがあります。
特殊なタイプとしては、食物依存性運動誘発アナフィラキシー、口腔アレルギー症候群があります。

二見いすず: いろいろあるんですね。
それでは、まず即時型の食物アレルギーついて詳しく教えてください。

今村直人Dr: 即時型は、原因となる食物を食べた直後から2時間以内に症状があらわれます。
最も多いのは皮膚症状ですが、呼吸器、消化器、循環器など複数の症状が同時に起きてくると、アナフィラキシーと呼ばれます。
血圧の低下や意識障害などのショック症状を伴う場合は、命をおびやかす大変危険な状態です。

二見いすず: これは心配ですね。
では、食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎について教えてください。

今村直人Dr: はい。
乳児のアトピー性皮膚炎は、食物アレルギーが原因になっていて、アレルゲン食品の除去によって症状が軽くなる場合があります。

二見いすず: そうなんですか。

今村直人Dr: はい。
アトピー性皮膚炎の中で食物アレルギーの合併率は乳幼児では約40%で、成長に伴い次第に減っていって、小学生以上では10%以下になります。
こうした場合でも日々の適切なスキンケアがとても大切になります。

二見いすず: わかりました。
では、新生児・乳児消化管アレルギーはいかがでしょうか。

今村直人Dr: 新生児・乳児消化管アレルギーは、ミルクや母乳中の食物タンパクが原因となり、新生児や乳児が、血便・下痢などの消化器症状を起こす病気です。

二見いすず: 即時型の食物アレルギー以外にもアナフィラキシーを引き起こす
特殊なタイプの食物アレルギーについて教えてください。

今村直人Dr: 食物依存性運動誘発アナフィラキシーです。
食べるだけでは平気でも、食べた後に運動するとアナフィラキシーが起こることがあります。
運動強度があがる、小学校高学年以上で多くみられます。

二見いすず: そうなんですか。
もうひとつの特殊なタイプ、口腔アレルギー症候群はいかがでしょうか。

今村直人Dr: 口腔アレルギー症候群は、果物や野菜を食べた食後に口の中がイガイガしたり、かゆくなったりする症状が特徴的です。花粉症のある大人に多く、特定の花粉と関連する果物や野菜に反応することで起こります。

二見いすず: よく分かりました。
来週も食物アレルギーについて詳しく伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の今村直人(いまむらなおと)ドクターでした。
ありがとうございました。

今村直人Dr: ありがとうございました。