2016.5.28 第682回放送分 『C型肝炎』 ゲスト:井戸章雄ドクター


二見いすず: ドクタートークは、「C型肝炎」について、鹿児島県医師会の井戸章雄(いどあきお)ドクターにお話を伺ってまいります。
井戸さん、今週もどうぞよろしくお願いいたします。

井戸章雄Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 最終日の今日は、「肝臓がんにならないために」というテーマでお話をお願いいたします。

井戸章雄Dr: はい。
日本人の死亡原因の第一位はがんですが、中でも肝臓がんは、肺がん、胃がん、大腸がん、膵臓がんに次いで、日本人のがん死亡の第5位です。
そして、肝臓がんの60〜70%はC型肝炎が原因であることが分かっています。

二見いすず: 肝臓がんの3分の2はC型肝炎が原因だということなんですね。

井戸章雄Dr: はい。
現在、日本には、C型肝炎ウイルスに感染している人が150万人以上いると考えられますが、感染が分かっていない方や、分かっていても通院されていらっしゃらない方が半数以上を占めています。

二見いすず: C型肝炎は自覚症状がほとんどないと伺いました。

井戸章雄Dr: はい。
肝臓は沈黙の臓器と言われ、慢性肝炎になっても自覚症状がないため、気付かないままに肝硬変、肝臓がんへと進んでしまいます。
肝臓がんで命を落とさないためにも、まずはC型肝炎ウイルスの検査を受けることが大切です。

二見いすず: 検査は、どこで受けることができるのでしょうか。

井戸章雄Dr: C型肝炎ウイルスの検査は、保健所や医療機関で受けることができます。
鹿児島県内の各保健所や委託医療機関では、過去に肝炎ウイルス検査を受けたことがない方なら原則無料で検査が受けられます。

二見いすず: C型肝炎の治療について、医療機関を選ぶポイントはあるのでしょうか。

井戸章雄Dr: 鹿児島県には肝疾患診療連携ネットワークという組織があり、鹿児島大学病院を拠点病院として、県下に専門医療機関ならびにかかりつけ医療機関を設定しています。
C型肝炎ウイルスに感染していた場合は、まず、かかりつけ医にご相談ください。

二見いすず: わかりました。
さて、治療を始めるにあたって、医療費が気になりますよね。

井戸章雄Dr: C型肝炎ウイルスの排除を目的として行うインターフェロン治療やインターフェロンフリーの飲み薬による治療の場合には、助成制度を利用して、医療費の自己負担額を減らすことができます。
詳しくは、お近くの保健所にお問い合わせください。

二見いすず: よく分かりました。
C型肝炎の治療の際は、医療費助成が受けられるということです。
ぜひ安心して、C型肝炎の治療を受けていただきたいですね。

井戸章雄Dr: はい。
そうですね。
C型肝炎は、早期に治療を受ければ完治する病気です。
肝臓がんにならないためにも、ぜひ一度はC型肝炎検査を受けて、感染の有無を確認してください。

二見いすず: よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会の井戸章雄(いどあきお)ドクターでした。
ありがとうございました。

井戸章雄Dr: ありがとうございました。