2016.9.3 第696回放送分 『救急医療』 ゲスト:吉原 秀明ドクター



二見いすず: 9月になりました。
今月のドクタートークは9月9日の「救急の日」にちなみ、「救急医療」をテーマにお送りしてまいります。
お話は、鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターです。
吉原さん、どうぞよろしくお願いいたします。

吉原秀明Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 9月9日は「救急の日」ということですが、あらためて、救急の日とはどういうものなのか教えてください。

吉原秀明Dr: はい。
救急の日は、救急医療や救急業務に対する正しい理解と認識を深めていただくことを目的として1982年に定められました。
以来、毎年9月9日を「救急の日」として、この日を含む1週間を「救急医療週間」に定めています。

二見いすず: 毎年、9月9日は救急の日、そして、9月9日を含む1週間は「救急医療週間」ということです。
では、ここ、鹿児島県ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。

吉原秀明Dr: 市町村、消防機関、医療機関等においては、期間中に地域住民を対象とした救急フェアや市民講座などを実施しています。
実はこの「救急の日」の取り組みは、鹿児島県から情報発信して、全国に定着していったんですよね。

二見いすず: そうなんですか。
鹿児島県では全国に先駆けて救急医療や救急業務を啓蒙する取り組みが行われていたという歴史があるんですね。
では、鹿児島県の救急医療事情は、現在どのような状況なのでしょうか。

吉原秀明Dr: 二見さん、救急医療は地場産業だと言われているのはご存知でしょうか。

二見いすず: えっ、救急医療は地場産業!
それはどういう意味なのでしょうか。

吉原秀明Dr: 救急医療は、地域や医療機関ごとに求められるポジションが異なります。
たとえば、鹿児島県は、南北約600kmにわたる海域に県本土・へき地・離島とさまざまな地域を抱えた非常に特色のある県なんです。
このために救急医療体制は、へき地や離島などをも含めた広いエリアをカバーするために、さまざまな工夫を行っています。

二見いすず: なるほど。
救急医療は地場産業である、つまりそれぞれの地域の特色や医療を取り巻く環境に合う形にアレンジされているということですね。
それでは実際に鹿児島県ではどのような取り組みがなされているのでしょうか。

吉原秀明Dr: たとえば、鹿児島県では2011年度からドクターヘリを、鹿児島市では2014年度からドクターカーを導入しています。

二見いすず: はい。
報道等でもよく目にいたします。

吉原秀明Dr: はい。
ドクターヘリやドクターカーの導入によって、病院で待つだけの“守りの救急医療”から現場へ救急のスペシャリストを送る“攻めの救急医療”へと変化して、鹿児島の救急医療も進化していると思います。

二見いすず: そうなんですね。
大変心強い思いです。
来週のこの時間も救急医療について詳しくお話を伺ってまいります。
鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターでした。
ありがとうございました。

吉原秀明Dr: ありがとうございました。