2016.9.17 第698回放送分 『救急医療』 ゲスト:吉原 秀明ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「救急の日」にちなみ、「救急医療」をテーマにお送りしております。
お話は、鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターです。
吉原さん、よろしくお願いいたします。

吉原秀明Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は2011年度から導入されたドクターヘリについて伺いましたが、鹿児島県の救急医療事情として、そのほかにはどのような動きがあるのでしょうか。

吉原秀明Dr: はい。
救急医療については、救急要請があったときにより早く、より適切に対応できるように、県内の医療機関の詳細な情報を集め、その上で救急告示医療機関としての登録をお願いしています。
今後は鹿児島県の状況に合った救急医療の仕組みづくりが大切になると考えています。

二見いすず: そうですか。

吉原秀明Dr: また、救急医療には消防隊と医療機関とのスムーズな連携がとても大切です。
そこで鹿児島県では、医師・看護師・救急隊員の顔の見える関係の構築を目的として、鹿児島臨床救急研究会を発足し、今年で7年目を迎えました。

二見いすず: さまざまな連携が進んでいるのですね。

吉原秀明Dr: はい。
多職種連携は、救急医療の高度化における大切なキーワードのひとつなんです。

二見いすず: 分かりました。
さて、今年は熊本地震が発生して、ドクターヘリの活躍も伝えられましたが、災害時における救急医療体制はいかがでしょうか。

吉原秀明Dr: 地震・火災・津波・テロなどの大規模災害発生時に傷病者を受け入れる災害拠点病院には、県内で14カ所が指定されています。
また、2009年度より厚生労働省が主体として整備しているDMAT(災害派遣医療チーム)指定病院に鹿児島市立病院も指定されています。

二見いすず: 鹿児島県内には、災害拠点病院が14カ所あり、なかでも鹿児島市立病院は、DMAT(災害派遣医療チーム)指定病院としての役割も担っているわけですね。

吉原秀明Dr: 鹿児島市立病院は、災害時に活動できる機動性を持ったDMATを2チーム有しています。
DMATは年に数回の訓練を行うほか、各県のDMAT指定病院とも連携を強化しています。

二見いすず: 県内だけでなく、他の県と連携し、災害時などに助け合うシステムも構築されつつあるということですね。

吉原秀明Dr: おっしゃる通りです。
先の熊本地震においては、特に周産期救急事例などで、ドクターヘリが大きな力を発揮しました。
これは平時からの連携体制のたまものだったと思います。
このように人命を救うという観点から、地域や職種の垣根を越えて、協力し合う体制がとられるのは、望ましいことですし、今後も連携をより強化していきたいと考えています。

二見いすず: よくわかりました。
今週も救急医療についてお話を伺いました。
鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターでした。
ありがとうございました。

吉原秀明Dr: ありがとうございました。