2016.9.24 第699回放送分 『救急医療』 ゲスト:吉原 秀明ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「救急の日」にちなみ、「救急医療」をテーマにお送りしております。
お話は、鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターです。
吉原さん、よろしくお願いいたします。

吉原秀明Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週は鹿児島県の救急医療を守るためにというテーマでお話をお願いします。

吉原秀明Dr: はい。
医療業界では全国的に医師不足が問題になっていますが、ここ鹿児島県でも過疎化などで医師が不足しているエリアがあります。
特に鹿児島県は夜間の一人当直率が全国一の高さであり、救急医療を担う医師には大きな負担がかかっています。

二見いすず: 鹿児島県は特に過疎地域で医師不足があり、夜間はたった一人で当直を担う医師も多いということですね。

吉原秀明Dr: はい。
このように夜間の医療機関は限られたスタッフで運営されていますが、軽症の患者さんが気軽に救急医療機関を受診するケースもあるようです。
その結果、緊急に治療が必要な重症の患者さんの処置が適切に行えないなどの問題が生じています。

二見いすず: それは問題ですよね。
鹿児島県の救急医療を守るために、私たちにできることはありますか。

吉原秀明Dr: まずは日頃から何でも相談できる「かかりつけ医」を持ち、気になる症状があれば早めにかかりつけ医に相談しましょう。

二見いすず: はい。

吉原秀明Dr: また、「昼間は病院が混んでいるから」とか「平日は忙しいから」という理由で夜間や休日に救急医療機関を受診することは控えていただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
ところで、小さなお子さんは夜間に体調を崩すことも多いと思いますが、そういった場合にはどのような対処をすればいいのでしょうか。

吉原秀明Dr: 鹿児島県には夜間の子どもさんの急な病気への対処として看護師等が答えてくれる「鹿児島県小児救急電話相談」があります。
平日と土曜日は午後7時から翌朝8時まで、日曜・祝日・年末年始は、朝8時から翌朝8時まで受け付けています。
電話番号は、「♯8000」番、または099-254-1186です。

二見いすず: 繰り返します。
鹿児島県小児救急電話相談の電話番号は「♯8000」番、または「099-254-1186」ですね。

吉原秀明Dr: はい。
救急医療機関は、重症または病状が不安定な患者さんをいつでも受け入れられるように病床を確保しておく必要があります。
そのため、処置・手術等の必要な診療が終了し、病状が安定したと主治医が判断した場合は、他の医療機関等へ転院をお願いする場合があることもぜひご理解いただきたいと思います。

二見いすず: 大切な命を守るためにも、救急医療は適切に利用するという私たち一人ひとりの心掛けと協力が必要だということです。
4週にわたり、救急医療について貴重なお話を伺ってまいりました。
お話は鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターでした。
ありがとうございました。

吉原秀明Dr: ありがとうございました。