2016.12.3 第709回放送分 『インフルエンザ』 ゲスト:南 武嗣ドクター



二見いすず: 12月になりました。
今月のドクタートークは、「インフルエンザ」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターです。
南さん、よろしくお願いいたします。

南武嗣Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 冬になって、インフルエンザの流行が気になる時期になりました。
あらためまして、インフルエンザというのはどのような病気なのでしょうか。

南武嗣Dr: はい。
インフルエンザとはインフルエンザウイルスに感染することにより、発症する病気です。
季節性インフルエンザは流行性があり、いったん流行が始まると、短期間に多くの人へ感染が広がるのが特徴です。

二見いすず: 今年もすでにインフルエンザが流行しているのでしょうか。

南武嗣Dr: 日本では例年12月から3月がインフルエンザの流行シーズンですが、今年は関東で9月から集団感染が報告されています。
実際に私のクリニックでも10月からインフルエンザの患者さんが増えており、今年はここ鹿児島でも例年より早くインフルエンザが流行しています。

二見いすず: そうですか。
では、インフルエンザになると、どのような症状があらわれるのでしょうか。

南武嗣Dr: 特徴的な症状としては、急に38℃以上の高熱が出ます。
また、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感等の全身症状も比較的強くあらわれます。
併せて普通の風邪と同じように、喉の痛み、鼻水、咳等の症状もみられます。

二見いすず: 普通の風邪とインフルエンザの違いは、急に38℃以上の高熱が出ること、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感等の全身症状が比較的強くあらわれることですね。
では、インフルエンザにはどのような種類があるのでしょうか。

南武嗣Dr: インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは、A型・B型・C型に大きく分類され、このうち大きな流行の原因となるのは、A型とB型です。
流行するウイルスは、国や地域で、またその年ごとに異なります。

二見いすず: 昨年からインフルエンザの予防接種が4価ワクチンに変更されましたが、近年流行しているウイルスの型を踏まえての変更だったのでしょうか。

南武嗣Dr: はい。
今年度の季節性インフルエンザワクチンは、ウイルスのタイプがA型2種類とB型2種類の4価ワクチンです。
以前はA型2種類、B型1種類の3価ワクチンでしたが、近年は3価ワクチンに含まれていないB型のウイルスが流行するケースが世界的に増えたため、B型を2タイプに増やした4価ワクチンが導入されました。

二見いすず: 対応できるウイルスの種類が増えたぶん、より効果が期待できるようになったということですね。

南武嗣Dr: はい、そうですね。
4価ワクチンは世界的な臨床試験で安全性と有効性が確認されたものです。
感染拡大や重症化を防ぐために、ぜひインフルエンザの予防接種を受けていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
来週も引き続きインフルエンザについて詳しく伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
南さん、ありがとうございました。

南武嗣Dr: ありがとうございました。