2016.12.24 第712回放送分 『インフルエンザ』 ゲスト:南 武嗣ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「インフルエンザ」をテーマにお送りしております。
お話は鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターです。
南さん、今週もよろしくお願いいたします。

南武嗣Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週は、インフルエンザの治療について詳しく教えてください。

南武嗣Dr: はい。
まず、インフルエンザと診断されたら、安静にして休養をとりましょう。
特に睡眠を十分にとること、水分をしっかり補給することを心掛けてください。

二見いすず: よくわかりました。
お薬にはどのようなものがあるのでしょうか。

南武嗣Dr: インフルエンザに対する治療薬は、抗インフルエンザウイルス薬です。
抗インフルエンザウイルス薬は、発症から48時間以内に服用を開始すると、発熱期間は通常1〜2日短縮され、鼻や喉からのウイルス排出量も減少します。

二見いすず: 具合が悪いなと思ったら、早めに医療機関を受診することが大切ですね。

南武嗣Dr: はい。
迅速検査で陽性反応が出るのに発症してから数時間がかかります。
夜間に発熱した時は翌日医療機関を受診することをおすすめいたします。
ただし、呼吸困難、意識障害、けいれんなどがあった場合にはただちに受診してください。
今は飲み薬だけでなく、吸入薬、注射薬とさまざまな治療法がありますので、医師と相談しながら、適切な治療法を選択していただきたいと思います。

二見いすず: インフルエンザのお薬といえば、タミフルがよく知られていますが、過去にお子さんの異常行動との関連が取り沙汰されたことがありました。
現在はどのように考えられているのでしょうか。

南武嗣Dr: はい。
タミフルと異常行動の因果関係は明らかではないとされています。
ただし、現在、10歳以上の未成年の治療にはタミフルの使用を差し控えることとされています。

二見いすず: では、インフルエンザと異常行動に関連性はあるのでしょうか。

南武嗣Dr: はい。
実はタミフルを使用しない場合でも、インフルエンザにかかったお子さんの異常行動が報告されています。
思わぬ事故を防ぐためにも、お薬の服用の有無にかかわらず、少なくとも発症から2日間は小児・未成年者が一人にならないよう、注意深く見守ってください。

二見いすず: よくわかりました。
他にも気をつけておきたいことはありますか?

南武嗣Dr: インフルエンザはきちんと治療をすれば、重症化するケースは少ないのですが、お子さんではまれに急性脳症を、高齢者や免疫力の低下している方では肺炎等を伴う場合があります。

二見いすず: インフルエンザの重症化を防ぐ意味でも予防接種を受けておけば安心ですよね。

南武嗣Dr: はい。
そうですね。
インフルエンザの流行のピークは例年1月〜2月です。
ぜひ早めに予防接種を受けることをおすすめいたします。

二見いすず: よくわかりました。
来週もインフルエンザについてお話を伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
どうもありがとうございました。

南武嗣Dr: ありがとうございました。