2017.2.4 第718回放送分 『高血圧』 ゲスト:大石 充ドクター



二見いすず: 2月になりました。
今月のドクタートークは、「高血圧」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の大石充(おおいしみつる)ドクターです。
大石さん、よろしくお願いいたします。

大石充Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今月は高血圧についてお話をお伺してまいりますが、その前に「血圧」についてご説明をいただけますか。

大石充Dr: はい。
私たちの体の中には血液が流れています。
心臓と血管がお互いにポンプの役割を果たすことで新鮮な血液が全身に送られますが、
そのときに血管にかかる圧を「血圧」といいます。

二見いすず: 心臓が血液を全身に送り出すときに血管にかかる圧のことを血圧というのですね。

大石充Dr: そうですね。
皆さんは健康診断などで「上の血圧」「下の血圧」という言葉を聞かれたことがあると思います。

二見いすず: はい。
よく聞きます。

大石充Dr: 心臓が収縮して血液を押し出した瞬間に、血管に一番強い圧がかかります。
これが「上の血圧」、収縮期血圧です。
一方、収縮した心臓が広がるときは、血管にかかる圧力が一番弱くなります。
これが「下の血圧」、拡張期血圧です。

二見いすず: よくわかりました。
では、今月のテーマの「高血圧」とはどのような状態なのでしょうか。

大石充Dr: 高血圧とは、血管に圧力がかかり過ぎている状態であり、「上の血圧」または「下の血圧」のどちらかが基準値よりも高い数値を持続している場合のことをいいます。
日本の高血圧患者数は4,000万人以上と推定され、国民の3人に1人が高血圧だと言われています。

二見いすず: 国民の3人に1人ですか!

大石充Dr: はい。
そうですね。
なかでも鹿児島県は高血圧の方が多い県だと言われています。
厚生労働省の調査によると、鹿児島県は高血圧で治療中の方の割合が全国平均の1.4倍にのぼります。
高血圧を放っておくと、全身の動脈硬化を促進させ、脳血管や心臓、腎臓などに障害を発生させる引き金になりますので、ぜひ気をつけていただきたいと思います。

二見いすず: 高血圧の基準値とはどのくらいなのでしょうか。

大石充Dr: 病院の診察室で血圧を計ると、たいていの方が普段家庭で計る場合よりも高めの数値になります。
近年は病院の診察室と家庭での測定値に差がある場合、家庭での測定値を優先させることになっています。
自宅で測定する家庭血圧では、上は135mmHg、下は85mmHg以上が高血圧の目安です。

二見いすず: 家庭血圧で上は135mmHg、下は85mmHg以上が高血圧の目安だということです。
来週も高血圧について詳しく伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の大石充(おおいしみつる)ドクターでした。
ありがとうございました。

大石充Dr: ありがとうございました。