2017.2.11 第719回放送分 『高血圧』 ゲスト:大石 充ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「高血圧」をテーマにお送りしております。
お話は鹿児島県医師会の大石充(おおいしみつる)ドクターです。
大石さん、今週もどうぞよろしくお願いいたします。

大石充Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、高血圧とは、上の血圧または下の血圧のいずれかが基準値より高い状態を持続している場合のことをいうのだと伺いました。
高血圧だと診断されるのは、自宅で計った家庭血圧が上は135mmHg、下は85mmHg以上の方だということですね。

大石充Dr: はい。
そうですね。

二見いすず: では、高血圧になると、健康にどのような影響があらわれるのでしょうか。

大石充Dr: 高血圧で怖いのが合併症です。
代表的な合併症としては、脳卒中、心筋梗塞、心不全、腎不全などがあります。
鹿児島県は脳卒中が全国で2番目に多い県ですが、血圧を正常値にコントロールすれば脳卒中は半分以下に減らせることがわかっています。

二見いすず: そうなんですか。

大石充Dr: はい。
脳卒中は高齢者が要介護や寝たきりになる最大の要因であり、認知症の大きな原因になります。
認知症を予防するためにも、40代、50代で血圧を下げておくことが大切です。

二見いすず: なるほど。
では一方、心疾患の予防においても、血圧を下げることが大切なのでしょうか。

大石充Dr: はい。
実は心不全も高血圧と関わりが深い病気です。
心臓の働きは一般的に高齢になるほど低下していきますので、団塊の世代が80歳を超える2030年には、高齢者の心不全の患者数が現在の約3.8倍に増えると予想されています。
この心不全の予防策で唯一考えられているのが血圧コントロールです。

二見いすず: よくわかりました。
脳卒中や認知症、心不全を予防するためには、40代、50代から血圧を下げておくことが大切だということです。
ところで、どのような原因で高血圧になるのでしょうか。

大石充Dr: はい。
高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧の2種類があります。

二見いすず: まず本態性高血圧とはどのようなものでしょうか。

大石充Dr: 日本人の高血圧の85%から90%を占める本態性高血圧は、塩分の取り過ぎ、肥満、過度の飲酒、運動不足、ストレス、喫煙などの環境因子や、遺伝因子によって発症すると考えられています。

二見いすず: 一方、二次性高血圧はいかがですか。

大石充Dr: 二次性高血圧は、ホルモン分泌異常、腎臓疾患、薬剤の副作用などが原因で起こると考えられています。
原因となる病気をきちんと治療すれば、血圧も下がっていきます。

二見いすず: よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会の大石充(おおいしみつる)ドクターでした。
ありがとうございました。

大石充Dr: ありがとうございました。