二見いすず: | 今月のドクタートークは、「高血圧」をテーマにお送りしております。 お話は鹿児島県医師会の大石充(おおいしみつる)ドクターです。 大石さん、今週もよろしくお願いいたします。 |
大石充Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 先週は、高血圧は、脳卒中や心不全など命にかかわる重大な合併症を引き起こす原因になるというお話をお伺いしました。 |
大石充Dr: | はい。そうですね。 高血圧には自覚症状があまりなく、むしろ血圧が高い時のほうが体調がいいように感じられることもあります。 そのため、気付かないうちに体は蝕まれ、症状は重症化します。 脳卒中や心疾患など重大な合併症を引き起こさないためにも、ぜひご自分で毎日血圧を測定することを習慣づけていただきたいですね。 |
二見いすず: | わかりました。 では、家庭で血圧をはかる場合の注意点はありますか? |
大石充Dr: | 血圧は一般に午前中は高く、夕方から夜にかけて低くなります。 そこで、毎日起床後と就寝前に2回ずつ血圧を計り、それぞれの平均値を記録するのがおすすめです。 |
二見いすず: | わかりました。それでは、高血圧の予防、改善のために日常生活で心掛けておきたいことを教えてください。 |
大石充Dr: | 高血圧の予防・改善の基本は、食事療法と運動療法です。 まず食生活では塩分の制限が大切です。 日本人の1日の塩分摂取量は、平均11〜12グラムといわれていますが、高血圧を改善するためには、1日6グラム未満を目標にしてください。 |
二見いすず: | 塩分を半分に減らすとなると、薄味になれる努力が必要ですね。 では、ほかにも気をつけておきたいことはありますか。 |
大石充Dr: | はい。 鹿児島は果物や魚の摂取量が非常に少ない県ですが、果物には塩分の排せつを促進するカリウムが含まれており、魚にはコレステロールを減らす不飽和脂肪酸が含まれています。 もっと積極的にとることをおすすめいたします。 |
二見いすず: | やはり太っている人は、高血圧になりやすいのでしょうか。 |
大石充Dr: | 肥満は高血圧の大敵です。 18歳の時に比べて10kg程度太ると、高血圧の発症が2倍になるというデータもあります。 カロリーの摂取量を制限し、肥満を解消する努力をしましょう。 また、アルコールが好きな方は休肝日をつくること、喫煙者の方は禁煙することも大切です。 |
二見いすず: | 一方、運動療法はいかがでしょうか。 |
大石充Dr: | 鹿児島は車社会で、運動量が少なくなりがちなのも高血圧の患者さんが多い要因だと考えられます。 健康な方は、体力づくりを兼ねてウォーキングなどの有酸素運動を無理なく続けてみてください。 ただし、心疾患や腎疾患のある方は、担当医師とご相談ください。 |
二見いすず: | よくわかりました。 来週は高血圧の治療について詳しくお話を伺ってまいります。 お話は鹿児島県医師会の大石充(おおいしみつる)ドクターでした。 ありがとうございました。 |
大石充Dr: | ありがとうございました。 |