2017.2.25 第721回放送分 『高血圧』 ゲスト:大石 充ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「高血圧」をテーマにお送りしております。
お話は鹿児島県医師会の大石充(おおいしみつる)ドクターです。
大石さん、最終日の今日もよろしくお願いいたします。

大石充Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週は高血圧の治療についてお話をお願いいたします。

大石充Dr: 高血圧は生活習慣病なので、生活習慣を完璧に整えれば、血圧を下げることは可能です。
しかし、長年の生活習慣を完璧に改善することはたやすいことではありません。

二見いすず: おっしゃるとおりですね。

大石充Dr: 高血圧の治療の目的は、血圧を抑えて合併症を予防することです。
そこで、高血圧が続いている方には、生活習慣の改善とあわせて
薬物療法をおすすめしています。

二見いすず: 生活習慣の改善と薬物療法の両輪で、血圧を抑えて、合併症を予防するということですね。

大石充Dr: はい。
高血圧と診断された後も薬を飲むのはもう少し待ちたいとおっしゃる患者さんは多いのですが、待てば待つほど重症化して、薬の量が増えるというケースが多いです。
高血圧は重症化すると治療効果が出にくく、薬の量もどんどん増えていきますので、長い目で見ると、早めに薬を飲み始めた方がいいことが多いです。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。
では、お薬を飲むときに気をつけておきたいことはありますか?

大石充Dr: まず、高血圧の治療において、目指すべき血圧の値は年齢や合併症の有無によって異なることを知っていただきたいと思います。
家庭血圧値ですと、若年、中年、前期高齢者患者は上が135mmHg、
下が85mmHg未満が目標とされていますが、75歳以上の後期高齢者は上が145mmHg、下が85mmHg未満、糖尿病や蛋白尿のある慢性腎臓病を合併されている方は上が125mmHg、下が75mmHg未満が目安とされています。

二見いすず: そうなんですね。

大石充Dr: また、薬の服用はあくまでも医師の指導に基づいて、規則正しく行うことが大切です。
たとえば血圧が下がったからといって、勝手に薬の量を減らしたり、薬そのものをやめてしまうのは禁物です。

二見いすず: わかりました。
脳卒中や心不全など命にかかわる合併症を引き起こさないためにも医師とよく相談した上でお薬を正しく服用することが大切ですね。

大石充Dr: はい。
高血圧の患者さんは加齢に伴い増加する一方、食生活の欧米化などの影響から近年は若年化傾向にあります。
20代、30代から高血圧の症状が続くと、重篤な合併症を引き起こすリスクが高まります。
高血圧は自覚症状があらわれにくい病気だからこそ、毎日、家庭で血圧を測定し、上が135mmHg、下が85mmHg以上の数値が続いたら、まずは医療機関に相談していただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
4週にわたり高血圧について貴重なお話をお伺いいたしました。
鹿児島県医師会の大石充(おおいしみつる)ドクターでした。
ありがとうございました。

大石充Dr: ありがとうございました。