2017.3.4 第722回放送分 『アレルギー性鼻炎』 ゲスト:田中 紀充ドクター



二見いすず: 3月になりました。
今月のドクタートークは、「アレルギー性鼻炎」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の田中紀充(たなかのりみつ)ドクターです。
田中さん、よろしくお願いいたします。

田中紀充Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: まず、アレルギー性鼻炎とはどのような病気なのでしょうか。

田中紀充Dr: 私たちの体には、体内に異物すなわち抗原が侵入すると、排除しようとする免疫という働きがあります。
この働きが特定の抗原に対して、過剰に起こるのがアレルギーです。
アレルギー性鼻炎は、何らかのアレルギーの原因物質が鼻の粘膜から体内に侵入したときに起こる過剰な免疫反応によって生じる病気です。

二見いすず: 鼻にアレルギーの原因物質が入って、それを排除しようとして起こるのが「アレルギー性鼻炎」なのですね。

田中紀充Dr: はい。

二見いすず: それでは、さらにアレルギー性鼻炎について詳しく教えてください。

田中紀充Dr: アレルギー性鼻炎には、大きく分けて「季節性アレルギー性鼻炎」と「通年性アレルギー性鼻炎」があります。

二見いすず: それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

田中紀充Dr: まず「季節性アレルギー性鼻炎」は、毎年同じ季節に起こるのが特徴で、ちょうど今の季節、春先に多く見られる「スギ花粉症」が代表的なものです。

二見いすず: では一方、「通年性アレルギー性鼻炎」にはどのようなものがありますか?

田中紀充Dr: 「通年性アレルギー性鼻炎」は、一年中起こるアレルギー反応です。
ダニ、ハウスダスト、カビ、昆虫、ペットの毛などが原因となります。
鹿児島は特に通年性アレルギー性鼻炎の罹患率が高い県です。

二見いすず: そうなんですか。
それぞれの原因によって、症状は違うのでしょうか。

田中紀充Dr: いいえ。
季節性も通年性も症状は基本的に同じで、「くしゃみ、鼻水、鼻づまり」が3大症状です。

二見いすず: どちらも症状は「くしゃみ、鼻水、鼻づまり」ということですね。

田中紀充Dr: はい。
目のかゆみや喉のかゆみが強い方もいます。
鼻づまりによる口呼吸のために、のどの渇きや痛みが出たり、重症の場合は頭痛や発熱などの症状を引き起こす場合もあります。
このような症状が出ると、睡眠障害をきたし、日常生活や仕事、学業に影響を及ぼすため、ぜひ我慢せずに、医師の診断・治療を受けていただきたいと思います。

二見いすず: わかりました。
「くしゃみ、鼻水、鼻づまり」といいましても、症状が重くなるとつらいものです。
ぜひ我慢せずに医療機関を受診なさってください。
来週は春先に多く見られる花粉症について詳しく伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の田中紀充(たなかのりみつ)ドクターでした。
ありがとうございました。

田中紀充Dr: ありがとうございました。