2017.3.11 第723回放送分 『アレルギー性鼻炎』 ゲスト:田中 紀充ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「アレルギー性鼻炎」をテーマにお送りしております。
お話は鹿児島県医師会の田中紀充(たなかのりみつ)ドクターです。
田中さん、よろしくお願いいたします。

田中紀充Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週は、この時期、話題になることが多い「花粉症」についてお話をお願いいたします。

田中紀充Dr: 花粉症の代表的なものに「スギ花粉症」があります。
気象条件に影響されますが、鹿児島県では例年、2月初旬からスギ花粉が飛び始め、3月初旬に飛散のピークを迎えます。
今年は例年に比べて、飛散量が多いと予想されています。

二見いすず: そうですか。
まさに3月は花粉症のピークだということですね。
先週、花粉症などのアレルギー性鼻炎の代表的な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりだとお伺いいたしましたが、病院ではどのような過程を経て、花粉症だと診断されるのでしょうか。

田中紀充Dr: はい。
まずは問診でどのような症状なのか、症状の出る時期や程度、喘息やアトピー性皮膚炎といったアレルギー性疾患の有無などを確認して、実際の鼻の粘膜の色、鼻水の性状を観察してアレルギー性鼻炎を疑います。
そして、鼻汁検査、皮膚テスト、血清抗体検査などから総合的に花粉症と診断します。

二見いすず: よくわかりました。
では、花粉症になってしまったら、どのようなことに気をつけて
日常生活を送ればいいのでしょうか。

田中紀充Dr: 花粉症対策の基本は、花粉回避です。
原因となる花粉にさらされなければ、アレルギー反応はおきないわけですから、花粉にふれない、吸い込まない、家に持ち込まないことが大切です。

二見いすず: 花粉にふれない、吸い込まない、家に持ち込まない、ですね。
具体的な方法を教えていただけますか。

田中紀充Dr: 外出するときには花粉を吸い込まないように、マスクやメガネをつけること、服は花粉が付きにくい、さらっとした素材を選び、帰宅時には花粉を家に持ち込まないように、服についた花粉を外で払い落とすなどの工夫が大切です。

二見いすず: 洗濯物や布団を外に干すときも注意が必要ですね。

田中紀充Dr: はい。
テレビやラジオ、インターネットで花粉情報をチェックして、花粉の飛散量が多い日は外出や洗濯物を外に干すのは控えることをおすすめいたします。

二見いすず: 体調管理についてはいかがでしょうか。

田中紀充Dr: ストレス、睡眠不足、過度な飲酒、喫煙は確実に花粉症を誘発・悪化させます。
また、粘膜が荒れていると、アレルギー反応を起こしやすいので、風邪やインフルエンザにも注意していただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
来週は花粉症の治療について伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の田中紀充(たなかのりみつ)ドクターでした。
ありがとうございました。

田中紀充Dr: ありがとうございました。