2017.3.18 第724回放送分 『アレルギー性鼻炎』 ゲスト:田中 紀充ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「アレルギー性鼻炎」についてお送りしております。
お話は鹿児島県医師会の田中紀充(たなかのりみつ)ドクターです。
田中さん、よろしくお願いいたします。

田中紀充Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週は、「花粉症」の治療についてお話をお願いいたします。

田中紀充Dr: 花粉症の治療は、花粉を避けることが基本になりますが、必要に応じて、薬物療法、手術療法、アレルゲン免疫療法などを行います。
今週は花粉症の症状を抑えることを目的とした薬物療法と手術療法についてお話しましょう。

二見いすず: はい。
わかりました。
では、まず薬物療法について教えていただけますか。

田中紀充Dr: はい。
飲み薬としては、アレルギー症状を起こすヒスタミンの働きを抑える、抗ヒスタミン薬が一般的です。
また、外用薬としては、鼻に薬を噴霧するステロイド点鼻薬などが用いられます。

二見いすず: 花粉症の薬物療法としては、飲み薬と点鼻薬があるということですね。
副作用はあるのでしょうか。

田中紀充Dr: 抗ヒスタミン薬には眠気や口の渇き、ステロイド点鼻薬には鼻への刺激感や乾燥などの副作用が出る場合があります。
ただし、最近は第2世代と呼ばれる新しい抗ヒスタミン薬が開発され、眠気などの副作用が少なくなり、1日1回または2回の服用ですむなど、効果の持続性もより高くなりました。

二見いすず: 副作用が少なく、効果も高いお薬がどんどん出てきているということなんですね。

田中紀充Dr: はい。
そうですね。
花粉症の治療薬にはさまざまな種類があり、体質や症状に応じて使い分けることができます。
症状が強い方は、飲み薬と点鼻薬を組み合わせたり、症状が軽くなったときは、どちらかひとつにしたりすることもできます。
専門医とよく相談しながら、自分に最も合った治療法を見つけていただきたいと思います。

二見いすず: はい。
よくわかりました。
では、花粉症の手術療法とはどのようなものなのでしょうか。

田中紀充Dr: そのひとつは、アレルギー反応が起きる鼻の粘膜をレーザーで焼灼する方法があります。手術時間は片側5分程度で、痛みや出血はほとんどなく、外来で行うことができます。

二見いすず: レーザー手術をすれば、花粉症が治る、ということでしょうか。

田中紀充Dr: いいえ。
粘膜は再生しますので、スギ花粉に対するレーザー治療の効果が持続するのは、1〜2シーズンだと言われています。
スギ花粉症のレーザー治療は、シーズン前の粘膜が落ち着いている秋から冬にかけて治療を済ませておくことが望ましいでしょう。
お薬を控えたい、妊婦さんや授乳中の方にもお勧めです。

二見いすず: よくわかりました。
来週も引き続き花粉症の治療についてお伺いいたします。
お話は鹿児島県医師会の田中紀充(たなかのりみつ)ドクターでした。
ありがとうございました。

田中紀充Dr: ありがとうございました。