2017.4.15 第728回放送分 『肥満とメタボ』 ゲスト:西尾 善彦ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「肥満とメタボ」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の西尾善彦(にしおよしひこ)ドクターです。
西尾さん、今週もよろしくお願いいたします。

西尾善彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、メタボは内臓脂肪症候群とも呼ばれ、内臓脂肪型肥満の人が高血糖、高血圧、脂質異常症のうち2つ以上の症状を併発している状態をあらわすのだと伺いました。

西尾善彦Dr: はい。
平成24年度の特定健康診査の結果によると、鹿児島県の40歳から74歳の男性の約39%、女性の約26%がメタボの該当者または予備軍です。

二見いすず: その数字、ちょっとドキッとしますね。
メタボにならないためには、内臓脂肪をためないことが大切だということですが、そもそも内臓脂肪とはどのようなものなのでしょうか。

西尾善彦Dr: 脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪がありますが、そもそも脂肪とは、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ることによって蓄積されたエネルギーの貯金のようなものです。

二見いすず: はい。

西尾善彦Dr: 貯金には定期預金と普通預金がありますが、たとえば、皮下脂肪は定期預金、内臓脂肪は普通預金のようなものなんです。

二見いすず: それはどういうことなんでしょうか。

西尾善彦Dr: 皮下脂肪はたまりにくく、減りにくいのに対して、内臓脂肪はたまりやすく、減りやすいんです。
だから、エネルギーがたまると、すぐに内臓脂肪になり、エネルギーが足りない時は、まず内臓脂肪が減るんです。

二見いすず: なるほど。
内臓脂肪は、たまりやすいけれど、減りやすいと聞きますと、そう悪いものでもないような気がするんですが、いかがでしょうか。

西尾善彦Dr: 先ほどもお話しましたとおり、脂肪はエネルギーの貯蔵庫のようなものですから、内臓脂肪も適正量であれば、なんら問題はありません。

二見いすず: はい。

西尾善彦Dr: ところが、肥満により内臓脂肪がつきすぎると、脂肪細胞が肥大・増殖し、ホルモンの分泌異常が起こります。
これが高血糖、高血圧、脂質異常などの原因になるため、余分な内臓脂肪を減らすことが大切なのです。

二見いすず: つまり、余分な内臓脂肪を減らせば、逆に生活習慣病になるリスクも少なくなるということですね。

西尾善彦Dr: はい。そのとおりです。
生活習慣を改善することによって、余分な内臓脂肪は減らすことができます。

二見いすず: 内臓脂肪はたまりやすく、減らしやすいということを分かっておくといいですね。
来週は内臓脂肪の減らし方について、詳しく伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の西尾善彦(にしおよしひこ)ドクターでした。
ありがとうございました。

西尾善彦Dr: ありがとうございました。