二見いすず: | 今月のドクタートークは、「肥満とメタボ」をテーマにお送りいたします。 お話は鹿児島県医師会の西尾善彦(にしおよしひこ)ドクターです。 西尾さん、今週もよろしくお願いいたします。 |
西尾善彦Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 先週は、メタボは内臓脂肪症候群とも呼ばれ、内臓脂肪型肥満の人が高血糖、高血圧、脂質異常症のうち2つ以上の症状を併発している状態をあらわすのだと伺いました。 |
西尾善彦Dr: | はい。 平成24年度の特定健康診査の結果によると、鹿児島県の40歳から74歳の男性の約39%、女性の約26%がメタボの該当者または予備軍です。 |
二見いすず: | その数字、ちょっとドキッとしますね。 メタボにならないためには、内臓脂肪をためないことが大切だということですが、そもそも内臓脂肪とはどのようなものなのでしょうか。 |
西尾善彦Dr: | 脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪がありますが、そもそも脂肪とは、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ることによって蓄積されたエネルギーの貯金のようなものです。 |
二見いすず: | はい。 |
西尾善彦Dr: | 貯金には定期預金と普通預金がありますが、たとえば、皮下脂肪は定期預金、内臓脂肪は普通預金のようなものなんです。 |
二見いすず: | それはどういうことなんでしょうか。 |
西尾善彦Dr: | 皮下脂肪はたまりにくく、減りにくいのに対して、内臓脂肪はたまりやすく、減りやすいんです。 だから、エネルギーがたまると、すぐに内臓脂肪になり、エネルギーが足りない時は、まず内臓脂肪が減るんです。 |
二見いすず: | なるほど。 内臓脂肪は、たまりやすいけれど、減りやすいと聞きますと、そう悪いものでもないような気がするんですが、いかがでしょうか。 |
西尾善彦Dr: | 先ほどもお話しましたとおり、脂肪はエネルギーの貯蔵庫のようなものですから、内臓脂肪も適正量であれば、なんら問題はありません。 |
二見いすず: | はい。 |
西尾善彦Dr: | ところが、肥満により内臓脂肪がつきすぎると、脂肪細胞が肥大・増殖し、ホルモンの分泌異常が起こります。 これが高血糖、高血圧、脂質異常などの原因になるため、余分な内臓脂肪を減らすことが大切なのです。 |
二見いすず: | つまり、余分な内臓脂肪を減らせば、逆に生活習慣病になるリスクも少なくなるということですね。 |
西尾善彦Dr: | はい。そのとおりです。 生活習慣を改善することによって、余分な内臓脂肪は減らすことができます。 |
二見いすず: | 内臓脂肪はたまりやすく、減らしやすいということを分かっておくといいですね。 来週は内臓脂肪の減らし方について、詳しく伺ってまいります。 お話は鹿児島県医師会の西尾善彦(にしおよしひこ)ドクターでした。 ありがとうございました。 |
西尾善彦Dr: | ありがとうございました。 |