2017.6.3 第735回放送分 『ワクチン』 ゲスト:西 順一郎ドクター



二見いすず: 6月になりました。
今月のドクタートークは「ワクチン」について、鹿児島県医師会の西順一郎(にしじゅんいちろう)ドクターにお話をお伺いいたします。
西さん、どうぞよろしくお願いいたします。

西順一郎Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今月のテーマはワクチンですが、あらためてワクチンとはどのようなものなのか教えていただけますか。

西順一郎Dr: ワクチンとは、感染症に対する免疫や抵抗力をつけるために注射や内服で体に接種するものです。
ワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンがあります。

二見いすず: 生ワクチンと不活化ワクチンには、どのような違いがあるのでしょうか。

西順一郎Dr: 生ワクチンは、病原体の病原性を生きたまま弱めたもので、それらが体の中で増えることで体が反応して免疫ができます。
一方、不活化ワクチンは、ある特定の病原体を分解して、一部の成分だけを取り出したもので、体の中で増えることはありません。

二見いすず: 生ワクチンは体の中で増えるのに対して、不活化ワクチンは増えないということですね。
ワクチンと聞きますと、副反応が気になるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

西順一郎Dr: ワクチンの副反応には生ワクチンと不活化ワクチンで根本的な違いがあります。

二見いすず: ワクチンの種類によって、副反応も違うということですね。
どのような違いがあるのでしょうか。

西順一郎Dr: 生ワクチンは生きた病原体を弱めたものが体の中で増えるために、人によっては、ごく軽い病気が起こることがあります。
病原体によって潜伏期が異なりますが、発熱や発疹などの副反応が接種後1週間から2週間にかけてみられます。

二見いすず: 一方、不活化ワクチンの副反応はいかがでしょうか。

西順一郎Dr: 不活化ワクチンは、接種した当日の夜から翌日にかけて、接種部位の腫れや発熱がみられることがあります。
ほとんどは自然に軽快しますが、腫れが広がったり、高熱でだるさや不機嫌がみられる場合は、医療機関を受診してください。

二見いすず: よく分かりました。

西順一郎Dr: ワクチンは健康な人に接種するわけですから、高い安全性が求められ、国による厳しい検定が行われています。
しかし、薬に副作用があるのと同じく、ワクチンも重篤な副作用のリスクはゼロではありません。
ワクチンの接種に関して、インターネットなどにはさまざまな情報がありますが、国や専門家などの正しい情報をもとに、ワクチンの利益と副反応を正しく比較した上で接種を検討していただきたいと思います。

二見いすず: ワクチンについて正しい情報を知り、ワクチンの利益と副反応を正しく比較した上で接種を検討することが大切だというお話でした。
来週もワクチンについて伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の西順一郎(にしじゅんいちろう)ドクターでした。
どうもありがとうございました。

西順一郎Dr: ありがとうございました。