2017.8.12 第745回放送分 『熱中症』 ゲスト:有嶋 拓郎ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「熱中症」をテーマにお送りしております。
お話は鹿児島県医師会の有嶋拓郎(ありしまたくろう)ドクターです。
有嶋さん、今週もよろしくお願いいたします。

有嶋拓郎Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今週は熱中症の症状について、お話をお願いいたします。

有嶋拓郎Dr: はい。
熱中症の症状は大きく3段階に分かれています。
まず、軽い熱中症では、汗をかくことによる水分不足と塩分不足が原因となって、めまい、立ちくらみ、筋肉がひきつる、足がつるなどの症状がみられます。

二見いすず: わかりました。

有嶋拓郎Dr: 次の段階、中等症の熱中症になると、脱水症状の進行で、頭痛、吐き気、嘔吐などの症状が出現し、強い虚脱感、倦怠感などが感じられるようになり、また、この段階になると、自分では十分な量の水分をとることができなくなります。

二見いすず: そうなんですか。

有嶋拓郎Dr: はい。
さらに症状が進み、重症になると、意識障害やけいれんがみられます。
体温の調節機能も働かなくなるため、汗が出なくなり、皮膚が乾くこともあります。
この段階では、手遅れになると、最悪の場合、命に関わるケースもあります。

二見いすず: 命にかかわることもあるというのは、熱中症には十分に気をつけなければいけませんよね。
それでは、それぞれの段階に応じた熱中症の対処法について教えていただけますか。

有嶋拓郎Dr: はい。
まず軽い段階で、自分で水分をとることができれば、涼しく風通しのいい場所で安静にして、水分を補給するという対処をして様子をみていただければと思います。

二見いすず: わかりました。
その他にできることはありますか。

有嶋拓郎Dr: この段階では、衣服をゆるめたり、脱いだりして、安静にしていれば十分なことが多いです。
体温が高いと感じられる場合には、冷たいタオルなどを首や腋の下、足の付け根にあてて体を冷やすと効果的です。

二見いすず: よくわかりました。
では、中等症の熱中症になると、どのような対処が必要でしょうか。

有嶋拓郎Dr: 軽い段階と区別するポイントは、気分が悪くなっていて、自分では水分をとることができなくなっているということです。

二見いすず: 自分で水分をとれるかどうかというのがポイントですね。

有嶋拓郎Dr: 水を飲めない状態では、自分で脱水症状を解消することができないので、医療機関を受診して点滴などの対処をすることが必要になります。
この場合、速やかに医療機関を受診していただければと思います。

二見いすず: 熱中症になり、自分で水分がとれない状態になったら、速やかに医療機関を受診することが大切だというお話です。
来週も引き続き熱中症についてお話を伺ってまいります。
鹿児島県医師会の有嶋拓郎ドクターでした。
ありがとうございました。

有嶋拓郎Dr: ありがとうございました。