2017.8.19 第746回放送分 『熱中症』 ゲスト:有嶋 拓郎ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「熱中症」をテーマにお送りしております。
お話は鹿児島県医師会の有嶋拓郎(ありしまたくろう)ドクターです。
有嶋さん、今週もよろしくお願いいたします。

有嶋拓郎Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 先週は熱中症の症状は軽度、中等症、重症の3段階に分かれていて、それぞれの症状に応じた対処法があるというお話をお伺いいたしました。

有嶋拓郎Dr: はい。
軽い熱中症の場合は、涼しく風通しのいい場所で衣服をゆるめて休み、水分を補給しながら様子をみてください。
中等症では気分が悪く、自分で水分をとれなくなり、自分の力では脱水症状を改善することができません。
この場合、速やかに医療機関を受診してください。

二見いすず: よくわかりました。
それでは、今週は重症の熱中症の対処法について、お話をお願いできますか。

有嶋拓郎Dr: 重症の熱中症になると、脱水症状が進み、40℃以上の高熱や、意識障害、けいれんなどがみられます。
重症例では昏睡状態となっていきます。
呼びかけても反応が悪い場合は、至急救急車を呼んでください。
重症の熱中症は、救命救急センターや集中治療が可能な病院へ搬送されます。

二見いすず: 呼びかけても反応がないときには、即、救急車ですね。

有嶋拓郎Dr: はい。
高熱が長時間続くと、多数の臓器障害になり、命に関わることもありますから、集中治療が必要です。
救急車を待つ間は、応急処置として、首や腋の下、足の付け根を冷たいタオルなどで冷やしておきましょう。

二見いすず: 病院ではどのような治療が行われるのでしょうか。

有嶋拓郎Dr: 点滴による水分・塩分補給とともに、体温を下げるために、冷却などの処置を行います。
また、重症で多臓器障害を起こしている場合は、人工呼吸器や血液透析などの対処療法を行うこともあります。

二見いすず: 重症の熱中症による後遺症はあるのでしょうか。

有嶋拓郎Dr: 重症の熱中症の後遺症としては、意識障害が長く持続していたり、神経障害としての運動機能障害などがみられることがあります。

二見いすず: 熱中症は症状が進み、重症になると、命に関わったり、後遺症が残る場合もあるということです。
残暑の厳しいこの時期は、よりいっそうの注意が必要ですね。

有嶋拓郎Dr: はい。
熱中症は重症になると、命にかかわる病気ですが、予防により防ぐことができます。
テレビやラジオ、インターネットでは、熱中症へのかかりやすさを示す暑さ指数や高温注意情報などが発表されています。
ぜひ参考にして、熱中症にならないように日頃から対策をしていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会の有嶋拓郎ドクターでした。
ありがとうございました。

有嶋拓郎Dr: ありがとうございました。