2017.10.7 第753回放送分 『眼の症状』 ゲスト:鵜木 一彦ドクター



二見いすず: 10月になりました。
今月のドクタートークは、10月10日の目の愛護デーにちなみ、「眼の症状」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の鵜木一彦(うのきかずひこ)ドクターです。
鵜木さん、どうぞよろしくお願いいたします。

鵜木一彦Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今月のテーマは眼の症状ですが、眼科を受診する際に自分の症状をうまく説明できないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

鵜木一彦Dr: はい。
眼科で正しい診断を受けるためには、さまざまな眼の症状を知って、自分の状態をうまく伝えることが大切です。
目は右目、左目があり、両目ともに症状があることもあります。
まず、どちらの目が、いつごろから、どうあるのかを教えてください。
難しい表現はいりません。
自分が感じていることをそのまま伝えていただきたいです。
そこで今週は「見えにくい」という症状について詳しくお話したいと思います。

二見いすず: わかりました。
まず、眼が見えにくくなった時には、自分の症状をどのように把握しておけばいいのでしょうか。

鵜木一彦Dr: どちらの目が、いつごろから、見えにくいのかを教えてください。
また、遠くが見えないのか、近くがはっきりしないのか、遠くも近くも見えにくいのかを伝えることが大切ですね。
よくある疾患では近視、遠視、乱視といった屈折異常と呼ばれるものは皆様よくご存じかと思います。
また、遠くのものは見えるのに、近くのものにピントが合わないという老視・老眼は年齢に伴うもので、すべての方が経験するものです。
また、距離にかかわらず、ぼやけて見えるという場合は、乱視になっているかもしれません。

二見いすず: 今お話いただいた症状は、メガネやコンタクトレンズで矯正できるのでしょうか。

鵜木一彦Dr: 通常の近視や遠視、乱視、老視であれば、メガネやコンタクトレンズで矯正できます。
しかし、視力の低下には目の病気が潜んでいるケースも多くあります。
学校や職場の検診で視力の低下を指摘されたら、一度眼科を受診することをおすすめいたします。

二見いすず: よくわかりました。
他にも注意しておきたい「見えにくい」という症状はありますか?

鵜木一彦Dr: 明るいところで見えにくい、もしくは、暗いところで見えにくい、という明るさや光の量による見えにくさを感じる疾患があります。
目の病気でよく知られている白内障は、太陽の光をまぶしく感じる、夜の運転がまぶしいという、明るいところで見えにくい代表的な疾患です。
一方、暗いところに行くと急に見えにくいという症状では網膜の病気があります。

二見いすず: ひとくちに眼が見えにくいといっても、さまざまな症状や疾患があるんですね。

鵜木一彦Dr: そうですね。
たとえば、急に見えにくくなったのか、それとも徐々に見えにくくなったのか、この情報だけでも正しい診断の手助けになります。
眼科を受診する際は、ぜひ自分の眼の症状を詳しく伝えてください。

二見いすず: よくわかりました。
今月は10月10日の目の愛護デーにちなみ、眼の症状をテーマにお送りしてまいります。
お話は、鹿児島県医師会の鵜木一彦(うのきかずひこ)ドクターでした。
ありがとうございました。

鵜木一彦Dr: ありがとうございました。