2017.10.14 第754回放送分 『眼の症状』 ゲスト:鵜木 一彦ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、目の愛護デーにちなみ、「眼の症状」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の鵜木一彦(うのきかずひこ)ドクターです。
鵜木さん、今週もよろしくお願いいたします。

鵜木一彦Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今週は「視野が狭い」という症状について、教えてください。

鵜木一彦Dr: はい。
視野が狭いというとわかりにくいのですが、ものを見ているときに一部分が欠けて見えることや部分的にぼんやりしていると感じることです。
ですので、視野、見える部分の一部や半分、全体が見えにくいのか、かすむのか、また、右側が見えにくいのか、左側が見えにくいのか、あるいは中央が見えにくいのかを、診察時に医師へお伝えいただきたいと思います。
右目だけ、左目だけ、もしくは両目ともに症状があるかも教えてください。

二見いすず: 視野が狭くなる症状があらわれた場合、どのような病気が疑われますか。

鵜木一彦Dr: 視野が狭くなる病気として有名なのが、緑内障です。
慢性にすすむ緑内障は長い期間で徐々に視野が狭くなるケースが多いので、ぼんやりするということを自覚できにくい疾患です。
ですので、緑内障が心配だなと思われた場合は眼科を受診して緑内障の検査を受けていただくのがいい方法と考えます。
また、何か飛んで見えるという飛蚊症がでて、さらに、急に視野が狭くなったという症状がある時は、網膜剥離が疑われます。
重篤な場合は失明に至ることもあり、早期の治療が必要な病気です。

二見いすず: 急に視野が狭くなった時は、速やかに眼科を受診することが大切なんですね。

鵜木一彦Dr: はい。
視野が狭くなったり、欠けたり、歪んだりするなどの視野の異常を感じたら、早めに眼科を受診してください。
受診が遅れると視力が戻らないこともありますので、放置は禁物です。

二見いすず: よくわかりました。
ほかにも視野の異常で気をつけておきたい症状はありますか?

鵜木一彦Dr: 近年増加傾向にある疾患として、加齢黄斑変性があります。
視野の中心部分がゆがむ、欠ける、暗くなるのが特徴です。
以前は欧米で多い疾患とされていましたが、日本でも高齢化と生活の欧米化により近年著しく増加しており、失明原因の第4位となっています。

二見いすず: 視野の中心部分がゆがんで見えたり、欠けたり、暗くなったりする加齢黄斑変性という病気があるそうで、近年増加傾向にあるそうです。
ぜひ覚えておいていただきたいですね。

鵜木一彦Dr: そうですね。
加齢黄斑変性はまず片方の眼に異常が起こることが多いです。
その場合、もう片方の正常な眼が異常を補って補正してしまうため、発見が遅れてしまうことがあります。
このように眼の異常には気付きにくいものも多いので、早期発見のためにも、ぜひ定期的に眼科検診を受けていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
今月は目の愛護デーにちなみ、眼の症状をテーマにお送りしています。
今週は、視野が狭いという症状についてお話をお伺いいたしました。
鹿児島県医師会の鵜木一彦(うのきかずひこ)ドクターでした。
ありがとうございました。

鵜木一彦Dr: ありがとうございました。