2017.11.4 第757回放送分 『インフルエンザ』 ゲスト:南 武嗣ドクター



二見いすず: 11月になりました。
今月のドクタートークは、「インフルエンザ」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターです。
南さん、どうぞよろしくお願いいたします。

南 武嗣Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 毎年、寒くなってまいりますと、インフルエンザの流行を耳にいたします。
インフルエンザとはどういう病気なのか、あらためて教えてください。

南 武嗣Dr: はい。
インフルエンザとはインフルエンザウイルスに感染することにより、発症する病気です。
季節性インフルエンザは流行性があり、いったん流行すると、短期間に多くの人へ感染が広がるのが特徴です。

二見いすず: 今年もすでにインフルエンザが流行しているのでしょうか。

南 武嗣Dr: 日本では例年12月から3月頃に流行し、例年1月から2月に流行のピークを迎えます。
ところが、厚生労働省の調査によると、今年は9月の段階で保育所・幼稚園・学校での患者報告数が昨年比約5.7倍となりました。
例年より流行が早まる傾向がみられます。

二見いすず: そうなんですか。
より一層注意が必要ですね。
では、インフルエンザになると、どのような症状があらわれるのでしょうか。

南 武嗣Dr: 特徴的な症状としては、急に38℃以上の高熱が出ます。
また、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感等の全身症状も比較的強くあらわれます。
併せて普通の風邪と同じように、喉の痛み、鼻水、咳等の症状もみられます。

二見いすず: 普通の風邪とインフルエンザの違いは、急に38℃以上の高熱が出ること、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感等の全身症状が比較的強くあらわれることですね。

南 武嗣Dr: はい、そうですね。
インフルエンザが重症化すると、まれに小児は熱性けいれんや急性脳症を、高齢者は肺炎等を起こすことがあります。

二見いすず: それは怖いですね。
予防接種を受けることによって、重症化は防げるのでしょうか?

南 武嗣Dr: はい。
インフルエンザワクチンは、ウイルス感染後に発症する可能性を低減させる効果と、発症した場合の重症化の防止が期待されます。
予防接種を受ければ、絶対にインフルエンザにかからないというわけではありませんが、かかりにくくなる、重症化しにくくなると考えられています。

二見いすず: そうなんですね。

南 武嗣Dr: インフルエンザウイルスには複数の型があり、そのシーズンに流行が予測される型に合わせてワクチンが製造されています。
流行株が毎年異なることと、ワクチンの予防効果は接種した2週間後から6ヵ月程度までと考えられることから、インフルエンザの予防には毎年ワクチンを接種した方がいいと考えられます。

二見いすず: よくわかりました。
来週も引き続きインフルエンザの予防接種について詳しく伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
南さん、ありがとうございました。

南 武嗣Dr: ありがとうございました。