2017.12.9 第762回放送分 『肺の病気 COPD』 ゲスト:井上 博雅ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「COPD」をテーマにお送りしております。
お話は鹿児島県医師会の井上博雅(いのうえひろまさ)ドクターです。
井上さん、今週もよろしくお願いいたします。

井上博雅Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今週はCOPDの症状について、お話をお願いいたします。

井上博雅Dr: COPDに多い症状は、長引く咳や痰、階段や坂道をのぼった時の息切れ、運動した時の息切れです。

二見いすず: COPDになると、こういった症状がすぐにあらわれるのでしょうか。

井上博雅Dr: 病気の初期はあまり症状が出ないこともあります。
また、症状があっても、タバコを吸っているからだと考えてしまう、または咳や痰は風邪が長引いているためだと考えてしまい、深刻な病気だと考えずに、見過ごされてしまうことが多いようです。
また、階段や坂道での息切れも、年をとったからだと判断して、病気の症状として疑わないことも多いようです。

二見いすず: COPDの原因のほとんどは喫煙だというお話を先週伺いましたが、特にタバコを吸っている方は気をつけておいた方がいいかもしれませんね。

井上博雅Dr: そうですね。
40歳以上でタバコを吸っている方で、咳や痰が続く方、体を動かすと息切れのある方はCOPDの可能性がありますね。

二見いすず: このCOPDは放っておくと、どんどん進行するのでしょうか。

井上博雅Dr: COPDは時間の経過とともに進行する病気で、肺の機能は徐々に低下します。
しかし、実は、健康な方でも25歳を過ぎると年齢を重ねるにつれて、少しずつ肺の機能は低下していきます。

二見いすず: そうなんですね。

井上博雅Dr: 健康な方と比べてCOPDの患者さんは非常に早く肺の機能が低下してしまうため、息切れが起こります。
息切れが進むと、日常生活もままならなくなり、一日中、酸素ボンベから酸素を吸う必要がでてきます。
呼吸不全や心不全をおこす、命に関わる病気です。

二見いすず: COPDは進行すると、命をおびやかす病気だということで、早期発見、早期治療が重要ですね。

井上博雅Dr: そうですね。
何度も言いますが、40歳以上で、喫煙歴のある方は要注意です。
いつも咳や痰が出る、坂道や階段をのぼったり、重い荷物をもつと息切れがする、同じくらいの年齢の方と比べて、運動をすると息切れが強い方は、軽く考えずに、早めに呼吸器、肺の専門医を受診してください。

二見いすず: COPDは進行すると、命をおびやかす病気だということで、早期発見・早期治療が重要だということでした。
来週も引き続きCOPDについて詳しく伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の井上博雅(いのうえひろまさ)ドクターでした。
井上さん、ありがとうございました。

井上博雅Dr: ありがとうございました。