2018.1.6 第766回放送分 『アルコール関連問題』 ゲスト:竹元 隆英ドクター



二見いすず: 2018年がスタートしました。
今月のドクタートークは、「アルコール関連問題」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の竹元隆英(たけもとたかひで)ドクターです。
竹元さん、よろしくお願いいたします。

竹元隆英Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今月のテーマは「アルコール関連問題」、ラジオをお聞きの皆様も、年末年始でお酒を飲む機会が多かったのではないでしょうか。
一方、お酒は楽しみたいけれど、健康が気になるという方もいらっしゃると思います。

竹元隆英Dr: 鹿児島は焼酎王国と言われますが、2016年の都道府県別統計データによると、鹿児島県の成人一人あたりのアルコール消費量は東京に次いで全国第2位で、焼酎消費量は、ダントツで全国第一位です。

二見いすず: 鹿児島県民のアルコール消費量は、全国トップクラスなんですね。

竹元隆英Dr: はい。
お酒は人間関係の潤滑油になるなど、いい面もたくさんありますが、不適切な飲酒は、アルコール健康障害の原因になってしまいます。

二見いすず: そのアルコール健康障害とは、どのようなものでしょうか。

竹元隆英Dr: 平成26年6月に施行されたアルコール健康障害対策基本法によると、アルコール健康障害の定義は、アルコール依存症その他の多量の飲酒、未成年者の飲酒、妊婦の飲酒等の不適切な飲酒の影響による心身の健康障害とされています。

二見いすず: アルコール健康障害は、不適切な飲酒によって引き起こされるということなんですね。
では、1日あたりの適正な飲酒量とはどれぐらいなのでしょうか?

竹元隆英Dr: 1日あたりの適正な飲酒量は、個人差もありますが、純アルコールで20グラム程度とされています。
これはビールだと中瓶またはロング缶1本500ml程度、25度の焼酎だと0.6合程度になります。
一升瓶を2週間は持たせたいです。
つまり月2本までですね。

二見いすず: 1日の適正な飲酒量は、ビールだと500ml、25度の焼酎だと0.6合程度だということですね。

竹元隆英Dr: はい。
ただし、女性や65歳以上の高齢者、また少量の飲酒で顔が赤くなるなど、アルコール代謝力の低い方はより少ない量が適当だとされています。

二見いすず: ところで、未成年者の飲酒は法律で禁止されているだけでなく、さまざまな悪影響をもたらすと聞いたことがあります。

竹元隆英Dr: はい。
未成年者の飲酒は、脳の萎縮つまり脳の縮みや第2次性徴の遅れ、アルコール依存症のリスクの高まりなど、心身の発育への影響が指摘されています。

二見いすず: 妊婦の飲酒はどのような影響があるのでしょうか。

竹元隆英Dr: 妊娠中の飲酒は、胎児の脳の発育障害等が起こる胎児性アルコール症候群や発育障害を引き起こすことが指摘されています。
お子さんのためにも妊娠中や出産後の授乳中は、ぜひ飲酒を控えていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
来週も引き続きアルコール関連問題について詳しく伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の竹元隆英(たけもとたかひで)ドクターでした。
ありがとうございました。

竹元隆英Dr: ありがとうございました。