2018.3.3 第774回放送分 『アレルギー性鼻炎』 ゲスト:上野 員義ドクター



二見いすず: 3月になりました。
今月のドクタートークは、「アレルギー性鼻炎」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の上野員義(うえのかずよし)ドクターです。
上野さん、よろしくお願いいたします。

上野員義Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: まず、アレルギー性鼻炎とはどのような病気なのでしょうか。

上野員義Dr: 私たちの体には、体内に異物が侵入すると、排除しようとする免疫という働きがあります。
この働きが特定の異物すなわち抗原に対して、過剰に起こるのがアレルギーです。
アレルギー性鼻炎は、何らかのアレルギーの抗原が鼻の粘膜から体内に侵入した時に起こる過剰な免疫反応のことをいいます。

二見いすず: 鼻にアレルギーの原因物質が入って、それを排除しようとして起こるのが「アレルギー性鼻炎」なのですね。
それでは、アレルギー性鼻炎について、さらに詳しく教えていただけますか。

上野員義Dr: アレルギー性鼻炎には、大きく分けて「通年性アレルギー性鼻炎」と「季節性アレルギー性鼻炎」の2種類があります。

二見いすず: 「通年性アレルギー性鼻炎」と「季節性アレルギー性鼻炎」の2種類があるということですが、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

上野員義Dr: まず、通年性アレルギー性鼻炎は、ダニ、ハウスダスト、ペットの毛、カビ、昆虫などが原因になります。
原因物質が1年中あるため、症状も1年中続きます。

二見いすず: なるほど。
では、季節性アレルギー性鼻炎は、いかがでしょうか。

上野員義Dr: 季節性アレルギー性鼻炎は、毎年同じ季節に起こるのが特徴です。
ちょうど今の季節・春先に多く見られる「スギ花粉症」が代表的なもので、スギ以外にも、ヒノキ、カモガヤ、シラカンバ、ブタクサなどが
花粉症の抗原としてあげられます。

二見いすず: よくわかりました。
原因によって、それぞれ症状が違うのでしょうか。

上野員義Dr: いいえ。基本的に通年性も季節性も症状は同じで、「くしゃみ、鼻水、鼻づまり」が3大症状です。

二見いすず: アレルギー性鼻炎の3大症状は、「くしゃみ、鼻水、鼻づまり」なんですね。

上野員義Dr: 花粉症では、このほかに眼のかゆみや充血などを伴うことが多くなります。
また、重症のアレルギー性鼻炎では、頭痛、咽頭痛、発熱などの風邪のような症状を引き起こします。
このような症状が出ると、日常生活や仕事、学業に影響を及ぼすため、ぜひ我慢せずに医師の診断・治療を受けていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりと言いましても、症状が重くなると、大変つらいものです。
ぜひ我慢せずに医療機関を受診なさってください。
来週は春先に多く見られる花粉症について詳しくお話を伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の上野員義(うえのかずよし)ドクターでした。
どうもありがとうございました。

上野員義Dr: ありがとうございました。