二見いすず: | 今月のドクタートークは、「アレルギー性鼻炎」をテーマにお送りしております。 お話は鹿児島県医師会の上野員義(うえのかずよし)ドクターです。 上野さん、今週もよろしくお願いいたします。 |
上野員義Dr: | よろしくお願いします。 |
二見いすず: | 今週は花粉症の治療について、お話をお願いいたします。 |
上野員義Dr: | はい。 花粉症の治療は花粉を避けることが基本ですが、必要に応じて、薬物療法、手術療法、免疫療法などを行います。 今週は花粉症の症状の軽減を目的とした薬物療法と手術療法についてお話しましょう。 |
二見いすず: | はい。 では、まず薬物療法について教えていただけますか。 |
上野員義Dr: | はい。 花粉症シーズンのこの時期は、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの働きを抑える抗ヒスタミン薬の服用と、鼻の中に薬をスプレーするステロイド点鼻薬で症状をやわらげるのが一般的です。 |
二見いすず: | 抗ヒスタミン薬とステロイド点鼻薬ですね。 |
上野員義Dr: | はい。 鹿児島では例年2月の第1週がスギ花粉の飛散開始日ですので、1月下旬頃より眠気の少ない抗ヒスタミン薬の服用を開始すると、シーズン中の症状の緩和が期待できます。 |
二見いすず: | なるほど。 副作用はあるのでしょうか。 |
上野員義Dr: | 抗ヒスタミン薬には眠気や口の渇き、ステロイド点鼻薬には鼻粘膜への刺激感などの副作用が出る場合があります。 ただし、最近は第2世代と呼ばれる新しい抗ヒスタミン薬が開発され、眠気などの副作用が少なく、効果の持続性もより高くなりました。 |
二見いすず: | そうなんですね。 副作用が少なく、効果も高いお薬が出てきているというのは心強いですね。 |
上野員義Dr: | はい。そうですね。 最近は市販されているお薬を使う方もいらっしゃいますが、市販されている点鼻薬の中には血管収縮剤が入ったものがあります。 この血管収縮剤が入った点鼻薬を1日に何度も使ったり、長期にわたって使い続けたりすると、症状が悪化する場合があります。 花粉症などのアレルギー性鼻炎を発症している方は、耳鼻咽喉科を受診して、適切な治療を受けることをおすすめします。 |
二見いすず: | よくわかりました。 では、花粉症の手術療法とはどのようなものでしょうか。 |
上野員義Dr: | アレルギー反応が起きる鼻の粘膜をレーザーで焼灼するレーザー手術があります。 痛みや出血がほとんどなく、外来で行うことができます。 |
二見いすず: | このレーザー手術をすれば、花粉症が治る、ということでしょうか。 |
上野員義Dr: | いいえ。 粘膜は再生しますので、スギ花粉に対するレーザー手術の効果が持続するのは1、2シーズンだと言われています。 また、スギ花粉のレーザー手術は、シーズン前の粘膜が落ち着いている秋から冬にかけて行うことが望ましいです。 |
二見いすず: | よくわかりました。 今週は花粉症の治療についてお話をしていただきました。 お話は鹿児島県医師会の上野員義(うえのかずよし)ドクターでした。 ありがとうございました。 |
上野員義Dr: | ありがとうございました。 |