2018.4.7 第779回放送分 『禁煙』 ゲスト:有馬 新一ドクター



二見いすず: 4月になりました。
今月のドクタートークは、「禁煙」をテーマにお送りいたします。
お話は鹿児島県医師会の有馬新一(ありましんいち)ドクターです。
有馬さん、よろしくお願いいたします。

有馬新一Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 最近、企業や公共施設で禁煙の取り組みが広がっています。
私の周りでもタバコをやめた方が増えているようです。

有馬新一Dr: いいことですね。
実際、平成28年の国民健康栄養調査によると、習慣的に喫煙している人の割合は18.3%、男女別にみると男性30.2%、女性8.2%です。
この10年間でみるといずれも減少しています。
タバコの害について認識してくださっている方が増えたからだと思います。

二見いすず: では、タバコの害について、あらためて教えていただけますか。

有馬新一Dr: タバコに含まれるニコチンには血管収縮作用があります。
また、1日に20本のタバコを吸う人は、発ガン物質であるタールを1年間でコップ1杯分も体に吸収します。
ですから、20代前半に喫煙を始めた人が60歳までに肺がんになる確率は、タバコを吸わない人の15倍というデータもあります。

二見いすず: そうなんですか。
タバコを吸う人は大変なリスクを負っているということなんですね。

有馬新一Dr: はい。
特に長期にわたる喫煙習慣は、全身の血管を縮めるなどの悪影響を与えます。
心筋梗塞や狭心症、脳卒中などを発症するリスクが高く、肺がんや咽頭がんをはじめとした、がんの発症リスクも高くなります。
喫煙者は生涯タバコを吸わない人よりも10年程度余命が短くなるという報告もあります。

二見いすず: タバコを吸うのは命がけ、という感じですね。

有馬新一Dr: そうなんです。
タバコは百害あって一利なしと言われます。
現在、日本では高齢化に伴い、介護を必要とする人や寝たきりの人が増えています。

二見いすず: 将来、寝たきりにならないためにも、禁煙を考えることは大切なんですね。

有馬新一Dr: そうですね。
喫煙者の中には好きで吸っているんだからいいじゃないかと思っていらっしゃる方もいるかもしれません。
しかし、自分の健康が悪化すれば家族に負担をかけますし、タバコを吸う人のそばで生活している人の健康にも悪影響があることを
忘れないでいただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
今月は禁煙をテーマにお送りしてまいります。
お話は鹿児島県医師会の有馬新一(ありましんいち)ドクターでした。
ありがとうございました。

有馬新一Dr: ありがとうございました。