2018.4.21 第781回放送分 『禁煙』 ゲスト:有馬 新一ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「禁煙」をテーマにお送りしております。
お話は鹿児島県医師会の有馬新一(ありましんいち)ドクターです。
有馬さん、今日もよろしくお願いいたします。

有馬新一Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: これまで喫煙と受動喫煙による健康被害について伺ってまいりました。
この番組をお聴きになって、ぜひ禁煙したいと思われた方はどのようにすればいいのでしょうか。

有馬新一Dr: ニコチンには依存性がありますから、なかなかやめられないという方が多いです。
まずはニコチンガムやパッチを購入して禁煙に挑戦するのもいいでしょう。
それでやめられない方は保険適用で禁煙治療を受けることができます。

二見いすず: 保険診療で禁煙に取り組めるのですね。

有馬新一Dr: ニコチン依存症は治療が必要な病気ですから、病院で医師と一緒に禁煙を進めるのが成功への近道です。
禁煙治療は12週間、約3ヶ月間が基本です。
私の経験ではドクターの示す手順どおりにやって、しっかり3ヶ月禁煙外来に通った方はほぼ100%禁煙に成功しています。

二見いすず: それは心強いですね。
ニコチン依存症の治療にはお薬があるのでしょうか。

有馬新一Dr: ニコチンを含まない飲み薬を飲むと、イライラなどのニコチン切れの離脱症状が軽くなります。
また、タバコを吸ってもおいしいと感じにくくなり、治療成績は上々です。

二見いすず: なるほど。
薬を飲む以外にも日常生活で心がけておきたいことはありますか。

有馬新一Dr: まず、喫煙のきっかけとなる環境を改善しましょう。
タバコ、ライターなどの喫煙具は処分して、タバコを買える場所や喫煙者にはなるべく近寄らないようにしてください。
また、喫煙と結びついている生活パターンを変えるのも有効です。
コーヒーやアルコールを控える、ストレスを溜めないようにするなど、できることから取り組んでみてください。

二見いすず: どうしてもタバコを吸いたくなった時の対策はありますか?

有馬新一Dr: タバコを吸いたい気持ちは長く続いても3分です。
深呼吸をする、水を飲む、歯を磨く、ガムや干し昆布を噛むなどの代替行動を積み重ねていけば、タバコからはなれることができます。

二見いすず: 別の行動を実行し、タバコを吸いたい気持ちをコントロールするのですね。

有馬新一Dr: はい。そうですね。
万が一、途中で挫折してしまっても自分を責める必要はありません。
失敗しても何度でもチャレンジすることが大切です。
禁煙に遅すぎることはありません。
ご本人もご家族もどうぞ諦めずに、禁煙外来を受診してみてください。

二見いすず: よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会の有馬新一(ありましんいち)ドクターでした。
ありがとうございました。

有馬新一Dr: ありがとうございました。