2018.8.4 第796回放送分 『熱中症』 ゲスト:有嶋 拓郎ドクター



二見いすず: 8月になりました。
今月のドクタートークは「熱中症」について、鹿児島県医師会の有嶋拓郎(ありしまたくろう)ドクターにお話をお伺いいたします。
有嶋さん、どうぞよろしくお願いいたします。

有嶋拓郎Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今月のテーマは「熱中症」ですが、この夏は全国各地で35度以上の猛暑日が続き、熱中症には最大限の警戒が必要だと言われていますね。

有嶋拓郎Dr: はい。
鹿児島県でも今年4月から7月までに500人以上の方が熱中症または熱中症の疑いにより救急搬送されています。
一般に熱中症患者のおよそ半数は65歳以上です。
また、死亡事例の大半は高齢者と乳児です。
そこで今週は高齢者の熱中症予防について、お話したいと思います。

二見いすず: わかりました。
早速ですが、なぜお年寄りは熱中症になりやすいのでしょうか。

有嶋拓郎Dr: ご高齢の方は、加齢により自律神経機能が低下していて、暑さを感じにくくなっていることがあげられます。

二見いすず: ご高齢の方は、加齢により暑さを感じにくくなっているため、体が出しているSOSに気づきにくいということですね。

有嶋拓郎Dr: はい、そうです。
さらに体温調節機能も低下してきますので、室内でも熱中症になることがあります。
これは、授業中や課外活動中に熱中症になることが多い児童、生徒や、職場での業務中に熱中症になることが多い働き盛りの世代の人たちとの大きな違いです。

二見いすず: どうすれば高齢者の熱中症を防ぐことができるのでしょうか。

有嶋拓郎Dr: まず、暑さを感じにくくなっているので、体感に頼らず、気温や湿度を目で見て確認することが大切です。
部屋に温度計、湿度計を置き、「28度を超えたらエアコンを付ける」など、ぜひ自分で決めて行動していただけたらと思います。

二見いすず: 水分補給についてはいかがでしょうか。

有嶋拓郎Dr: ご高齢の方は、若い人と比べると、体内の水分量が低いため、脱水症に陥りやすくなっています。のどが乾かなくてもこまめに水分補給をすることが熱中症の予防につながります。

二見いすず: 外出する時に気をつけておきたいことはありますか?

有嶋拓郎Dr: 熱中症予防情報で用いられる暑さ指数は、健康な成人男性を基準にしています。
そのため、暑さ指数が注意レベルでもご高齢の方にとっては警戒レベルとなります。
目安として、一段階上のレベルと考えた方がいいでしょう。

二見いすず: 熱中症予防情報を参考にして、危険度が高い時は外出を控えることも大切ですね。

有嶋拓郎Dr: はい。
「夏は暑いものだ、多少は我慢」と無理をしないでください。

二見いすず: よくわかりました。
お話は鹿児島県医師会の有嶋拓郎(ありしまたくろう)ドクターでした。
ありがとうございました。

有嶋拓郎Dr: ありがとうございました。