2018.9.29 第804回放送分 『肩の痛み・手の痛み』 ゲスト:佐々木 裕美ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「肩の痛み・手の痛み」についてお話を伺っております。
前回に引き続き、「手の痛み」について、鹿児島県医師会の佐々木裕美(ささきひろみ)ドクターにお話をお伺いいたします。
佐々木さん、今週もよろしくお願いいたします。

佐々木裕美Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今週は更年期の女性が手の痛みを来す代表的な病気のひとつ「へバーデン結節」について、お話をお願いいたします。
この「へバーデン結節」というのは、あまり聞きなれない病気なのですが、どのような症状があるのでしょうか。

佐々木裕美Dr: へバーデン結節は、指の関節の変形です。
指の第一関節・DIP関節が赤く腫れたり、曲がったり、ズキズキするような痛みが起こります。動きも悪くなったり、痛みのため強く握ることが困難になることもあります。

二見いすず: これはどのような原因で起こるのでしょうか。

佐々木裕美Dr: 原因は今のところわかっていません。
一般に40歳代以降の女性に多く発生します。

二見いすず: そうなんですね。

佐々木裕美Dr: 関節の痛み、腫れがあらわれるので、関節リウマチを心配されて病院にこられる患者さんが多いのですが、関節リウマチは主に指の付け根にあるMP関節に痛みと腫れがあらわれます。

二見いすず: 関節リウマチは指の付け根に痛みや腫れがあらわれるのに対して、ヘバーデン結節は指の第一関節に痛みや腫れがあらわれるんですね。

佐々木裕美Dr: はい。そうですね。
第一関節の変形、突出、痛みがあり、また、レントゲンで関節のすき間が狭くなったり、関節が壊れたり、骨の棘があれば、ヘバーデン結節と診断できます。

二見いすず: 治療法はあるのでしょうか。

佐々木裕美Dr: 残念ながら、いまのところ痛み止めを飲む、テーピングをするなどの対処療法しかないのが現状です。
更年期の女性の手の痛みについては、前回お話した、ばね指も同様にホルモン補充療法で改善するという海外のデータがありますが、日本ではいまだ答えが出ていないのが現状です。

二見いすず: ばね指やヘバーデン結節のほかにも、気をつけておきたい手の痛みはありますか?

佐々木裕美Dr: 親指の付け根の関節が変形するCM関節症、腱鞘炎の一種であるドケルバン病、指の第二関節が変形するブシャール結節など、更年期の女性に発生しやすい疾患がいくつかあります。
手の痛み、腫れでお困りの方は、ぜひお近くの整形外科にご相談ください。

二見いすず: 更年期の女性に発生しやすい手の疾患には、ばね指、ヘバーデン結節、CM関節症、ドケルバン病、ブシャール結節などがあるそうです。
手の痛み、腫れでお困りの方は、ぜひお近くの整形外科にお早めにご相談ください。
「手の痛み」について貴重なお話をお伺いいたしました。
鹿児島県医師会の佐々木裕美(ささきひろみ)ドクターでした。
ありがとうございました。

佐々木裕美Dr: ありがとうございました。