二見いすず: | 3月になりました。今月は、「皮膚のアレルギー」をテーマに お送りいたします。 お話は、皮膚科がご専門でいらっしゃいます鹿児島県医師会の 島田辰彦(しまだときひこ)ドクターです。 島田さん、どうぞよろしくお願いいたします。 |
島田辰彦Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 今回のテーマは皮膚のアレルギーですが、 そもそもアレルギーというのはどのようなものなのでしょうか? |
島田辰彦Dr: | はい。 私たちの体には、ウイルスや細菌といった異物が侵入した時に、それを攻撃して除去する「免疫」という働きがあることはご存知ですよね? |
二見いすず: | たとえば、インフルエンザのウイルスから体を守るしくみですね。 |
島田辰彦Dr: | はい。 本来、免疫反応はウイルスや細菌など、害のある異物から体を守るために必要不可欠なものですが、これが体に害のないものにまで過剰に働くことを「アレルギー」と呼びます。 簡単に言うと、アレルギーは免疫の暴走反応といった感じでしょうか。 |
二見いすず: | なるほど。 では、アレルギーが起きてしまう異物にはどんなものがありますか? |
島田辰彦Dr: | アレルギー反応を起こす原因物質のことを「アレルゲン」と言いますが、私たちの身の周りにはアレルゲンとなる物質がたくさんあります。 中でも特にアレルギーを起こしやすいものとして、卵、牛乳、小麦などの食べ物、スギ、ヒノキなどの花粉、ハウスダスト、ウルシなどの植物、金属類、ヘアダイの成分などがよく知られています。 |
二見いすず: | どれも私たちの身近なものばかりですね。 では、アレルギー反応が起こると体はどんな状態になるのでしょうか。 |
島田辰彦Dr: | アレルギー反応が一番起こりやすいのが皮膚で、ほとんどの方に皮膚症状が出ると言われています。 そのほか、目や口などの粘膜、のどや気管支などの呼吸器、胃腸などの消化器官にも異常が現れることがあります。 また、複数の臓器が同時に異常が現れる「アナフィラキシー」もあります。 具体的な病気で言えば、じんましん、気管支喘息、アレルギー性鼻炎や結膜炎、花粉症、アトピー性皮膚炎などがよく知られていますね。 |
二見いすず: | よくわかりました。 一口にアレルギーと言っても、症状がでる場所やあらわれ方は本当に様々なのですね。 では、皮膚のアレルギーでは、具体的にどのような反応が出るのでしょうか? |
島田辰彦Dr: | 皮膚に出るアレルギー反応は、大きく分けると「じんましん」と「接触皮膚炎」いわゆる「かぶれ」があります。 どちらも強いかゆみをともなう赤み、ブツブツ、膨らみが皮膚にあらわれるなど、症状がよく似ている場合もありますが、原因や治療法はまったく違いますので、見きわめがとても大切となります。 |
二見いすず: | よくわかりました。 今月は「皮膚のアレルギー」をテーマにお送りしております。 次回からは皮膚アレルギーの代表的な疾患である「じんましん」と「接触皮膚炎」について詳しくお話をお伺いいたします。 お話は鹿児島県医師会の島田辰彦(しまだときひこ)ドクターでした。 島田さん、どうもありがとうございました。 |
島田辰彦Dr: | ありがとうございました。 |