2019.3.2 第826回放送分 『皮膚のアレルギー』1回目 ゲスト:島田辰彦ドクター



二見いすず: 3月になりました。今月は、「皮膚のアレルギー」をテーマに
お送りいたします。
お話は、皮膚科がご専門でいらっしゃいます鹿児島県医師会の
島田辰彦(しまだときひこ)ドクターです。
島田さん、どうぞよろしくお願いいたします。

島田辰彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今回のテーマは皮膚のアレルギーですが、
そもそもアレルギーというのはどのようなものなのでしょうか?

島田辰彦Dr: はい。
私たちの体には、ウイルスや細菌といった異物が侵入した時に、それを攻撃して除去する「免疫」という働きがあることはご存知ですよね?

二見いすず: たとえば、インフルエンザのウイルスから体を守るしくみですね。

島田辰彦Dr: はい。
本来、免疫反応はウイルスや細菌など、害のある異物から体を守るために必要不可欠なものですが、これが体に害のないものにまで過剰に働くことを「アレルギー」と呼びます。
簡単に言うと、アレルギーは免疫の暴走反応といった感じでしょうか。

二見いすず: なるほど。
では、アレルギーが起きてしまう異物にはどんなものがありますか?

島田辰彦Dr: アレルギー反応を起こす原因物質のことを「アレルゲン」と言いますが、私たちの身の周りにはアレルゲンとなる物質がたくさんあります。
中でも特にアレルギーを起こしやすいものとして、卵、牛乳、小麦などの食べ物、スギ、ヒノキなどの花粉、ハウスダスト、ウルシなどの植物、金属類、ヘアダイの成分などがよく知られています。

二見いすず: どれも私たちの身近なものばかりですね。
では、アレルギー反応が起こると体はどんな状態になるのでしょうか。

島田辰彦Dr: アレルギー反応が一番起こりやすいのが皮膚で、ほとんどの方に皮膚症状が出ると言われています。
そのほか、目や口などの粘膜、のどや気管支などの呼吸器、胃腸などの消化器官にも異常が現れることがあります。
また、複数の臓器が同時に異常が現れる「アナフィラキシー」もあります。
具体的な病気で言えば、じんましん、気管支喘息、アレルギー性鼻炎や結膜炎、花粉症、アトピー性皮膚炎などがよく知られていますね。

二見いすず: よくわかりました。
一口にアレルギーと言っても、症状がでる場所やあらわれ方は本当に様々なのですね。
では、皮膚のアレルギーでは、具体的にどのような反応が出るのでしょうか?

島田辰彦Dr: 皮膚に出るアレルギー反応は、大きく分けると「じんましん」と「接触皮膚炎」いわゆる「かぶれ」があります。
どちらも強いかゆみをともなう赤み、ブツブツ、膨らみが皮膚にあらわれるなど、症状がよく似ている場合もありますが、原因や治療法はまったく違いますので、見きわめがとても大切となります。

二見いすず: よくわかりました。
今月は「皮膚のアレルギー」をテーマにお送りしております。
次回からは皮膚アレルギーの代表的な疾患である「じんましん」と「接触皮膚炎」について詳しくお話をお伺いいたします。
お話は鹿児島県医師会の島田辰彦(しまだときひこ)ドクターでした。
島田さん、どうもありがとうございました。

島田辰彦Dr: ありがとうございました。