二見いすず: | 今月は、「皮膚のアレルギー」をテーマにお送りしています。 前回に引き続き、鹿児島県医師会の島田辰彦(しまだときひこ)ドクターにお話を伺います。 島田さん、今週もよろしくお願いいたします。 |
島田辰彦Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 先週は、皮膚のアレルギーは、大きく分けると「じんましん」と「接触皮膚炎」の2つがあるというお話を伺いました。 |
島田辰彦Dr: | はい。 アレルギーには、原因物質であるアレルゲンが体に入るとすぐに反応が起こる「即時型アレルギー」と、しばらくたってから反応が起こる「遅延型アレルギー」があります。 じんましんは即時型、接触皮膚炎は遅延型のアレルギー反応です。 |
二見いすず: | なるほど。 アレルギー反応が出る時間に大きな違いがあるのですね。 では、まず「じんましん」について詳しく教えていただけますか? |
島田辰彦Dr: | はい。 じんましんの症状としては、強いかゆみを伴う赤みや、蚊に刺された 時のようなミミズ腫れが急激に皮膚にあらわれ、酷い時は全身に及ぶこともあります。 一番の特徴は、急激にあらわれた症状が、数時間のうちにあとかたもなく消えてしまうことです。 |
二見いすず: | 急激にと言いますと、どれくらいの時間で出るものなのですか? |
島田辰彦Dr: | 私の知人にエビアレルギーの人がいるのですが、忘年会の寄せ鍋にエビを入ったことに気づかず、スープを飲んだところ、たちまち全身にじんましんが出たそうです。 このように、アレルギー性のじんましんは、アレルゲンが入って5分から30分くらいの短い時間で症状が出るのが典型的ですね。 |
二見いすず: | 5分から30分とは本当に短い時間ですね。 じんましんの原因はすべてアレルギーなのですか? |
島田辰彦Dr: | いえ。 実はじんましんの70%程度は原因不明と言われており、なぜじんましんが出るのか、はっきりわからないことも多いのが現状です。 一方、原因がわかっているものには、アレルギー性のものと非アレルギー性、つまりアレルギーが関係していないものがあります。 |
二見いすず: | じんましんは、原因がわからないものの方が多いのですね。 では、アレルギー性のじんましんの場合、やはり食べ物が原因となることが多いのでしょうか? |
島田辰彦Dr: | そうですね。卵や小麦、エビ・カニなどの甲殻類が、じんましんが出る代表的な食物です。 また、解熱鎮痛剤や抗生物質などの薬剤でアレルギー性のじんましんが出ることもありますね。 |
二見いすず: | アレルギー性のじんましんは、食べ物以外でも起こるものなのですね。 近頃は、学校やご家庭で「食物アレルギー」が話題になることが多いようですね。 |
島田辰彦Dr: | ええ。 食物アレルギーについては、一般の方にもずいぶん知られるようになりましたね。 ここ10年ほどでずいぶん研究が進み、新しいタイプの食物アレルギーも見つかっています。 |
二見いすず: | そうなのですね。 それでは、次回は食物アレルギーについても詳しくお話を伺ってまいります。 お話は鹿児島県医師会の島田辰彦(しまだときひこ)ドクターでした。 島田さん、本日はありがとうございました。 |
島田辰彦Dr: | ありがとうございました。 |