2019.3.9 第827回放送分 『皮膚のアレルギー』2回目 ゲスト:島田辰彦ドクター


二見いすず: 今月は、「皮膚のアレルギー」をテーマにお送りしています。
前回に引き続き、鹿児島県医師会の島田辰彦(しまだときひこ)ドクターにお話を伺います。
島田さん、今週もよろしくお願いいたします。

島田辰彦Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、皮膚のアレルギーは、大きく分けると「じんましん」と「接触皮膚炎」の2つがあるというお話を伺いました。

島田辰彦Dr: はい。
アレルギーには、原因物質であるアレルゲンが体に入るとすぐに反応が起こる「即時型アレルギー」と、しばらくたってから反応が起こる「遅延型アレルギー」があります。
じんましんは即時型、接触皮膚炎は遅延型のアレルギー反応です。

二見いすず: なるほど。
アレルギー反応が出る時間に大きな違いがあるのですね。
では、まず「じんましん」について詳しく教えていただけますか?

島田辰彦Dr: はい。
じんましんの症状としては、強いかゆみを伴う赤みや、蚊に刺された
時のようなミミズ腫れが急激に皮膚にあらわれ、酷い時は全身に及ぶこともあります。
一番の特徴は、急激にあらわれた症状が、数時間のうちにあとかたもなく消えてしまうことです。

二見いすず: 急激にと言いますと、どれくらいの時間で出るものなのですか?

島田辰彦Dr: 私の知人にエビアレルギーの人がいるのですが、忘年会の寄せ鍋にエビを入ったことに気づかず、スープを飲んだところ、たちまち全身にじんましんが出たそうです。
このように、アレルギー性のじんましんは、アレルゲンが入って5分から30分くらいの短い時間で症状が出るのが典型的ですね。

二見いすず: 5分から30分とは本当に短い時間ですね。
じんましんの原因はすべてアレルギーなのですか?

島田辰彦Dr: いえ。
実はじんましんの70%程度は原因不明と言われており、なぜじんましんが出るのか、はっきりわからないことも多いのが現状です。
一方、原因がわかっているものには、アレルギー性のものと非アレルギー性、つまりアレルギーが関係していないものがあります。

二見いすず: じんましんは、原因がわからないものの方が多いのですね。
では、アレルギー性のじんましんの場合、やはり食べ物が原因となることが多いのでしょうか?

島田辰彦Dr: そうですね。卵や小麦、エビ・カニなどの甲殻類が、じんましんが出る代表的な食物です。
また、解熱鎮痛剤や抗生物質などの薬剤でアレルギー性のじんましんが出ることもありますね。

二見いすず: アレルギー性のじんましんは、食べ物以外でも起こるものなのですね。
近頃は、学校やご家庭で「食物アレルギー」が話題になることが多いようですね。

島田辰彦Dr: ええ。
食物アレルギーについては、一般の方にもずいぶん知られるようになりましたね。
ここ10年ほどでずいぶん研究が進み、新しいタイプの食物アレルギーも見つかっています。

 二見いすず: そうなのですね。
それでは、次回は食物アレルギーについても詳しくお話を伺ってまいります。
お話は鹿児島県医師会の島田辰彦(しまだときひこ)ドクターでした。
島田さん、本日はありがとうございました。

島田辰彦Dr: ありがとうございました。