2019.5.18 第837回放送分 『ワクチン』3回目 ゲスト:南武嗣ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「ワクチン」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の南武嗣(みなみ たけつぐ)ドクターです。
南さん、よろしくお願いいたします。

南武嗣Dr: はい。
よろしくお願いします。

二見いすず: 2週にわたってワクチンの重要性をうかがってまいりましたが、今日はお子さんの予防接種について詳しく教えていただきたいと思います。
近頃では、「ワクチンデビューは生後2か月」というのが合言葉になっているそうですが、これはどうしてなのでしょうか。

南武嗣Dr: はい。
赤ちゃんはお母さんから様々な病気に対する免疫をもらって生まれてくるのですが、生後4か月くらいからこの免疫が切れてきます。
そこで、生後2か月からワクチンを接種して免疫を作っておき、感染症を予防しましょう、ということなんです。

二見いすず: 今は昔に比べて予防接種の種類が多くなったので、
いつ、どういう順番で受けていくか、ご家庭で管理するのが大変だと聞きますが。

南武嗣Dr: そうですね。ご家庭だけでは難しいと思います。
かかりつけの小児科で一緒に予防接種のスケジュールを考えてくれますので、生後2か月を迎える前にかかりつけ医に相談してみてはいかがでしょうか。

二見いすず: それはとても心強いですね。
お子さんの予防接種を受けるにあたって気を付けることはありますか?

南武嗣Dr: はい。
ワクチンは1回で免疫ができるものではなく、ほとんどが複数回の接種が必要です。
1か月ごとに続けて同じワクチンを接種した後、数か月あるいは数年たってから「追加接種」をすることで、初めてワクチンの効果がきちんと出ることをぜひ覚えておいていただきたいですね。

二見いすず: 追加接種が大切ということですね。

南武嗣Dr: その通りです。ワクチンの最初の2回の接種による基礎免疫では数十倍、追加接種をすることで、ワクチンの効果が何千倍も上がるんです。
でも、それを知らずに、面倒くさがって追加接種を受けなかったり、忘れてしまったりする人も多いので、非常にもったいないなと思います。

二見いすず: せっかくワクチンを打つなら、決められた回数をきちんと守ることが大事だということがよくわかりました。

南武嗣Dr: それから、2歳までに打たなければならないワクチンは、任意接種のものも含めると10種類くらいあります。
それぞれ数回ずつ打つとなると、20回近く病院へ行かなければなりません。
そこで今、世界的に推奨されているのがワクチンの「同時接種」です。

二見いすず: 何種類かのワクチンを同時に打つということですか?

南武嗣Dr:  はい。ワクチンはいっぺんに何種類打っても特に問題はないとされていますが、日本の場合は5〜6種類を同時に打つのが一般的です。

二見いすず:  何度も病院へ通うことを考えると、親子ともに助かりますね。

南武嗣Dr:  ええ。小さな赤ちゃんに少しでも早く免疫をつけさせて、感染症を防ぐこともできますからね。
いずれにしても、赤ちゃんの予防接種については、早めにかかりつけの小児科で相談していただければと思います。


二見いすず:  大変よくわかりました。
お話は、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
どうもありがとうございました。

南武嗣Dr: はい、ありがとうございました。