二見いすず: | 今月のドクタートークは、「ワクチン」についてお送りしています。 お話は、鹿児島県医師会の西順一郎ドクターです。 西さん最終週の今日もよろしくお願いします。 |
西順一郎Dr: | よろしくお願いします。 |
二見いすず: | 今日は、どういったワクチンについてのお話でしょうか? |
西順一郎Dr: | 乳幼児に接種する、ロタウイルスワクチンについてお伝えします。 |
二見いすず: | ロタウィルスというのは時々耳にするような気もしますが、感染すると、どんな症状が出るのでしょうか? |
西順一郎Dr: | ロタウイルス感染症は、乳幼児に急性胃腸炎を起こします。 乳幼児の嘔吐下痢症で一番多いのが、このロタウイルスによるものです。 |
二見いすず: | 重症化しやすいのでしょうか? |
西順一郎Dr: | そうですね。重症になると脱水症になり、全国でも1年間で十数人の患者さんが脳炎などで亡くなられています。 |
二見いすず: | それは心配ですね。ロタウイルスにはどのようにして感染してしまうのですか? |
西順一郎Dr: | 子どもから子どもへ、便の中にあるウイルスが広がることで感染します。 予防には、手洗いをしっかりすることと、ワクチンをきちんと接種することが大切です。 |
二見いすず: | 分かりました。 ワクチンを接種すると、ロタウイルスに感染しないのですか? |
西順一郎Dr: | 残念ながら感染をゼロにすることはできないのですが、重症化をおさえ、入院のリスクを減らすことができます。 |
二見いすず: | そうなんですね。 |
西順一郎Dr: | ロタウイルスワクチンは、2011年に任意接種として日本にも導入され、以降、接種率も上がってきました。 現在60%から70%の乳幼児が接種しています。 |
二見いすず: | 導入前と比べて入院する乳幼児は減ったのでしょうか? |
西順一郎Dr: | はい。 鹿児島県でも半分以下に減っていますので、重症化を抑える効果は期待できると思います。 しかも現在は任意接種ですが、今年の10月からは定期接種になりますので、無料で接種できるようになります。 生後2ヶ月から遅くても14週目くらいまでに接種するようにしてください。 |
二見いすず: | ところで、このロタウイルスワクチンを接種するにあたり、なにか気を付けることはありますか? |
西順一郎Dr: | ワクチン接種後1週間以内に、ごくまれに腸重積という病気になる場合があるので、それには注意が必要です。 |
二見いすず: | 先生、腸重積とはどういったものでしょうか? |
西順一郎Dr: | 腸が詰まり、腹痛や嘔吐、血便などの症状がでます。 放っておくと手術が必要になることもあるので、接種後に不機嫌で嘔吐があるときは、早めに医療機関を受診するようにしてください。 |
二見いすず: | 分かりました。お子さんの様子を注意深く見守って欲しいと思います。 今月は4回にわたって、ワクチンについてお伝えしてきました。 新型コロナウィルスの影響で、ワクチンがいかに大切かをみなさんも感じていることと思います。 |
西順一郎Dr: | そうですね。ワクチンで予防できる感染症は、ワクチンをしっかり接種して頂きたいと思います。 |
二見いすず: | お話は、鹿児島県医師会の西順一郎ドクターでした。 ありがとうございました。 |
西順一郎Dr: | ありがとうございました。 |