2020.5.9 第888回放送分 『食中毒』2回目 ゲスト:川村 英樹ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは「食中毒」をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の川村 英樹(かわむら ひでき)ドクターです。
川村さん今週もどうぞよろしくお願いいたします。

川村英樹Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 先週はご家庭で調理する際に気を付けるべき食中毒予防のポイントについてお伺いいたしました。
食中毒予防の3原則は、「つけない」「増やさない」「やっつける」でしたね。

川村英樹Dr: はい、その通りです。
今日は「食中毒とは何か?」について、お伝えしたいと思います。

二見いすず: 分かりました。

川村英樹Dr: 食中毒とは、食品に含まれた有毒・有害な物質を食べてしまうことにより、嘔吐、腹痛、下痢などがおこる健康被害のことを言います。

二見いすず: 食中毒の原因はどのようなものがあるのでしょうか?

川村英樹Dr: 大きく2つに分かれていて、1つはウイルスが原因となるもの、もう1つは細菌が原因となるものです。
ウイルスは自分では増えず、人間の体内に入らないと増えません。
一方、細菌は菌自身で増えることができます。

二見いすず: 分かりました。
まず、ウイルスが原因となるものには、どのようなものがありますか?

川村英樹Dr: ウイルスが原因の食中毒はノロウイルスが有名です。
冬場に多くみられますが、一年中みられるウイルスですね。

二見いすず: ノロウイルスはよく耳にするウイルスですよね。
では、もう1つの細菌が原因の食中毒には、どのようなものがあるのでしょうか?

川村英樹Dr: はい。
細菌の中でも2つに分かれていて、毒素型と感染型があります。


二見いすず: ではまず、毒素型から教えてください。

川村英樹Dr: 毒素型は、食べ物や飲み物に細菌の毒素そのものが混入していて、その毒素を摂取したことで発症します。
代表的なものがブドウ球菌で、感染して数時間で発症します。


二見いすず: 分かりました。
では次に、感染型についても教えてください。

川村英樹Dr: 感染型は、摂取した食べ物や飲み物に付いていた細菌が体内で増殖し、感染して健康被害をおこします。
代表的なものはO-157やO-111などの腸管出血性大腸菌です。
原因となるものを食べたり飲んだりしてから、半日から数日経って発症します。


二見いすず: 毒素型と違って、発症まで少し時間がかかるのですね?

川村英樹Dr: そうです。
ほかにも、サルモネラ菌やカンピロバクターなども感染型の細菌も夏場に多いのでこれからの時期に注意が必要です。

二見いすず: 食中毒にもさまざまな種類があるんですね。
食中毒には大きくウイルスが原因となるもの、細菌が原因となるものがあり、細菌の中でも毒素型、感染型に分かれるとのことです。
毒素型だと数時間、感染型だと半日から数日後に発症することが分かりました。
お話は鹿児島県医師会の川村英樹ドクターでした。ありがとうございました。

川村英樹Dr: ありがとうございました。