2003.07.05
第10回放送分『食中毒』 ゲスト:池田 琢哉ドクター


二見いすず: 日頃感じている健康や病気に対する疑問や不安といったものに鹿児島県医師会の専門のドクターにお答えいただくこのコーナー。
今月のテーマは「食中毒」です。
今日から4回にわたってお話いただきますのは鹿児島県医師会の池田琢哉(いけだ たくや)ドクターです。
池田さんどうぞよろしくお願い致します。

池田琢哉Dr: こんにちは。
よろしくお願い致します。

二見いすず: 池田さんのご専門は小児科ということですが、蒸し暑いこの時期、食中毒というのはとてもやはり気になりますね。

池田琢哉Dr: そうですね。
食中毒というのは、全国的に見ますと年間2〜3万人発生しているんですね。
鹿児島県で見ますと、年間少ない時で400人、多い時800人くらい届出があるんです。
ちなみに平成14年度で見ますと639人の食中毒の届けがありました。
それから食中毒の発生する季節ですけれども、最近はこの1年を通して発生しやすい状況にあるんです。と申しますのは、家庭内で、冷暖房完備がなされているということですね。
それからもう1つは、輸入食材の増加というのがあげられると思います。
しかしながら、これからの夏場というのはやはりこの細菌性の食中毒というのは起こりやすい季節ですので、充分注意していかないといけないと思います。
原因ですけれども、2つあります。
1つはこのウイルス性のものです。
それからもう1つは細菌性のものです。
特にこの夏場というのは細菌性の食中毒が多いんです。
年間を通じて見ますと、細菌性の方が5倍くらい多くなっているんですね。

二見いすず: その、最近の種類にはどのようなものがあるのでしょうか。

池田琢哉Dr: 全国的に見てみますと、第1位がサルモネラ菌、第2位が腸炎ビブリオ菌、第3位がウェルシュ菌、そして第4位がカンピロバクター菌と続いているわけです。
鹿児島県で見ますと、第1位がサルモネラ菌、第2位が腸炎ビブリオ菌なんです。
ここまでは全国と一緒なんですけれど、第3位がカンピロバクター菌なんです。ここがちょっと違うところです。
それからもう1つ忘れてならないのが病原性大腸菌と言われるものですね。
これは要するに腸管出血性大腸菌という、いわゆるO−157に代表される病気なんですけれども、7年前に大阪の堺市で集団食中毒が発生しましたね。
覚えていらっしゃると思うんですけれども。
鹿児島県でも、毎年だいたい今50人から60人くらい発生しているんです。
この中で特に問題なのはこの10歳未満の子供たちが全体の4割近くを占めているというのが問題なんです。
ですから、子供とか、あるいは老人とかは、この病気で死に至ることがあるので十分注意して頂きたいと思います。

二見いすず: O−157という言葉はよく耳に致しますよね、最近。
さて、来週はどういうお話をして頂けますでしょうか。

池田琢哉Dr: 次回は、 食中毒を予防する6つのポイントについて、少し触れてみたいと思います。

二見いすず: はい、予防の6つのポイントです。
来週もどうぞよろしくお願い致します。
ありがとうございました。

池田琢哉Dr: ありがとうございます。