二見いすず: 今月は「食中毒」をテーマにお話をしていただいてまいりましたが、今日はその最終週です。
お話は、鹿児島県医師会の池田琢哉(いけだ たくや)ドクターです。
今週もどうぞよろしくお願い致します。

池田琢哉Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 今週は食中毒に関する質問を二つ先生にお答え頂きたいと思いますが。
私の方から質問をお願い致します。
まず、指に怪我をしたら調理をしてはいけないというのははどういう理由からなんでしょうか。

池田琢哉Dr: 皮膚に傷ができると、そこから細菌が侵入して化膿しますよね。
膿の中にはたくさんのブドウ球菌が存在しているんです。
このような手で調理をしますと食品にブドウ球菌がついて増殖して、その結果食中毒を起こすということになります。
ですから、出来るだけ手に怪我をした場合は調理者自身がちゃんと自覚をして調理をしないようにするべきだと私は思います。
そして兼ねてからよく手を洗う週間を身に付けておいて頂きたいなと思います。

二見いすず: さあ、もう一つですが。
乳幼児には蜂蜜を与えてはいけないというのは本当でしょうかということなんですが。

池田琢哉Dr: 1歳以上の子供では、腸の中に正常な多くの細菌がいるんです。
ところが1歳未満の乳児というのはですね。
腸の中の細菌層というのがあるんですけども、それがまだ非常に未熟なんですね。
そのために蜂蜜の中に入ったボツリヌス菌が増殖して毒素を出すんです。
その毒素によって哺乳力、ミルクの飲み方が弱くなったりあるいは弱々しくなってきたり、手足が麻痺してきたりあるいは呼吸困難が起こってきたりするんですね。
その結果、呼吸不全になって2〜3%が死亡してしまうというとっても恐ろしい病気なんです。
そういうことがありまして、1986年の10月にですね。
厚生省は1歳未満の乳児には蜂蜜を食べさせないようにという通知を出しているんですね。
ですから、赤ちゃんがそれらしい症状が出た場合は、急いで最寄の、かかりつけのお医者さんにかかることをお勧めしたいと思います。

二見いすず: 蜂蜜の容器のラベルに1歳以下の赤ちゃんには食べさせないで下さいというのを見たような記憶があるんですけども、やはり小さいお子さんをお持ちのお母さんはきちんとわかっておいて頂きたいですね。

池田琢哉Dr: そうですね。

二見いすず: わかりました。
これからの季節食中毒に対しての注意がいかに大事かということがよくわかりましたけども、三原則というのをもう一度、池田さんお願いします。

池田琢哉Dr: そうですね。
最後にもう一度三原則について言いたいと思いますが、まず第一点が菌を付けない、二点目が菌を増やさない、三点目が菌をやっつけるということで、それを忘れないで、この夏を元気に過ごして頂きたいなと思います。

二見いすず: 具合が悪くなったら、すぐお医者さんに診て頂くということも大事ですね。
四週にわたりまして、貴重なお話を伺いました。
どうもありがとうございました。

池田琢哉Dr: ありがとうございました。

二見いすず: さて、MBCラジオのホームページそしてこのコーナーにご協力頂いております鹿児島県医師会のホームページでもこのコーナーのバックナンバーがご覧いただけます。休日当番医などの情報も出ていますので、是非こちらにもアクセスしてください。
そして来週からの8月はこれもシーズンです。
「熱中症」と「日焼け」についてお送りしてまいります。