二見いすず: | 連日厳しい暑さが続いております。 ドクタートーク、今月のテーマは「熱中症」です。 今週と来週2回にわたってお話を頂きますのは鹿児島県医師会の有村敏明(ありむら としあき)ドクターです。 有村さん、よろしくお願い致します。 |
有村敏明Dr: | 有村です。 こんにちは。 |
二見いすず: | 有村さんのご専門は麻酔科と伺っておりますが、熱中症と麻酔は何か関係があるんですか。
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有村敏明Dr: | 熱中症と麻酔とは全く関係ないです。 ただ、我々麻酔科は患者さんの管理をやっております。 そうなりますと、重症患者、それから救急の患者、そういう患者管理を麻酔科が行うことは非常に多くなるんですね。 特にこの熱中症というのは輸液、いわゆる体液と言いますが、脱水を起こしたり、そういうふうな状況の患者さんですので、我々にとってはうってつけの患者ということになるかというふうに思っております。 |
二見いすず: | まあ、密接な関わりができているということですね。 |
有村敏明Dr: | そういうことですね。 |
二見いすず: | はい。 今回は熱中症ということですけれども、やっぱり夏に。 |
有村敏明Dr: | そうです。 みなさん梅雨も明けまして、非常に毎日暑い日が続いていると思います。 こういう暑い日、日中炎天下で歩きますと、やはりすぐに脱水を起こして日射病なんかを起こしてきます。 これがいわゆる熱中症の一つの形になるということです。 |
二見いすず: | あの、日射病、あるいは熱射病という言葉も聞きますが、これは熱中症とどう違うんでしょうか。
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有村敏明Dr: | 熱中症はそれを全部総称して含んだ名前なんですね。 |
二見いすず: | 総称が熱中症というんですね。 |
有村敏明Dr: | そういうことです。 |
二見いすず: | では、詳しく熱中症についてお話頂きたいと思います。 |
有村敏明Dr: | はい。 まず、一番軽い、いわゆる日射病といいますね。 |
二見いすず: | 日射病。 |
有村敏明Dr: | 多くの方が経験されていると思います。 それから少々その日射病が強くなった状況。 ちょっと進んだ状況。 これは熱けいれんと言います。 |
二見いすず: | 熱けいれん。 |
有村敏明Dr: | はい。 これは筋肉が痛みを伴ってけいれんを起こす。 そういうふうな状況。 これを熱けいれんと我々は呼んでおります。 さらに、あと熱疲労、それから日射病というふうにあと2つの段階がありますけれども、熱疲労というのは、ほとんど熱射病と同じような状況で、その前段階というふうに考えられます。 |
二見いすず: | はい。 |
有村敏明Dr: | 最終的に熱射病が一番恐いんですけれども、これは体温が40℃を超える状況になりまして、熱を放散する機能が自分の体で出来ないと、そのために臓器、例えば心臓とか腎臓とかそういうところにいろんな障害を起こす。 ですからこれで死ぬことも決して稀ではないんです。 大変恐いです。 |
二見いすず: | そうですね。 本当に毎日気温も上がって暑い日が続いていますが、やはり昔に比べますと全体的に気温が高いですよね。 |
有村敏明Dr: | そうですね。 やはりCO2が増えておりますしね。 いわゆる環境大気汚染の問題もありますし。 そのために地球の温度は上がっております。 また、もう一つ都会、鹿児島市内もそうですけれども、ビルの冷房から出す温風と言いますか、熱風と言いますか。 これによって、ヒートアイランド現象がですね、これが今非常にたくさんできておりますし、また、非常に問題になっております。 こういう問題が常に熱中症を生み出す。 そういうふうな状況を作っているんじゃないかなと私は思っております。 |
二見いすず: | はい。 厳しい暑さがまだまだ続きますので、誰にでもこの熱中症起こり得るということですね。 |
有村敏明Dr: | そういうことですね。 |
二見いすず: | 来週はどんなお話でしょうか。 |
有村敏明Dr: | 来週はですね、熱中症の具体的な状況と言いますか、症例を出してみまして、また、その予防法についてお話したいと思います。 |
二見いすず: | はい。 ありがとうございました。 |