2003.06.21
第8回放送分『うつ病』 ゲスト:竹元 隆洋ドクター


二見いすず: 今月は「うつ病」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の竹元隆洋(たけもと たかひろ)ドクターです。
竹元さん、今週も宜しくお願い致します。

竹元隆洋Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 先週はうつ病とはどのような病気かというお話でしたが、今週はその症状についてお話を頂きたいと思います。

竹元隆洋Dr: はい。
今日はまずうつ病の症状についてお話をします。
うつ病という病気はストレスによって脳の働きが低下し、気分が沈んでくるんですね。
気分が晴れ晴れとしないそのうつ気分というのが第一の症状です。
次の症状としては、意欲がなくなる、やる気がなくなるという意欲低下が第二の症状ですね。
第三番目には、新聞やラジオ等に全く興味・関心がなくなってしまう。
楽しいという気分が起こらないというものですね。
四番目に、物事の決断がなかなかつかない。
例えば、家庭の主婦ですと今日の食事の献立を何にしようかとなかなか決まらない。
五番目には、わけもなく疲れやすい。
六番目にいよいよ死にたいという気持ちが起こってくる。
死んだほうが楽だという気持ちになって、本当に自殺を企てようとするんですね。
そういったことが非常に注意しなければいけないことなんです。

二見いすず: こういう症状に、早く気付くということが大切でしょうか。

竹元隆洋Dr: そうですね。
御家族も、もしこういう症状に気付いた場合には、すぐ精神科を受診していただきたいと思います。

二見いすず: さて、今度はうつ病とお酒との関係についてお話をいただきたいと思いますが。

竹元隆洋Dr: はい。
うつ病という病気になりますと、気分が沈んでとてもつらいですから、ついついお酒に頼って気晴らしをしようとするんですね。
そうすると、気晴らしのために飲んでいるお酒というのは飲酒量がぐいぐい増えていくんです。
アルコール依存症になる危険性も非常に高いんですね。
アルコールは脳を麻痺させる薬でありますが、うつ病で脳の働きが低下しているのに、そのうえアルコールを使いますと脳はぼろぼろにいたんでくるわけです。
そういう危険性があります。
アルコール依存症になりますと脳の働きが麻痺するので、そのためにうつ状態になっていきますけれども、こういったアルコール依存症とうつ病はまったくストレス時代の現代病だといってもいいと思います。

二見いすず: そうしますとお酒とうつ病というのは非常に深い関わりがあるということですね。

竹元隆洋Dr: そうです。
私は30年前からアルコール依存症の治療に、県で断酒会というのをつくって、地域活動をずっとやってきましたけれども、やはり依存症の治療のためには断酒会で集団的な治療をやっていくのがとても効果的だと私自身は思っております。

二見いすず: お酒の量が増えるというのもひとつのサインといいますか、シグナルといいますか、そういうことも言えるんでしょうね。

竹元隆洋Dr: そうですね。
うつ病の人はついついお酒に頼ろうとする傾向が非常に強いです。

二見いすず: さて、 来週は最終週になりますが来週はどんなお話になりますでしょうか。

竹元隆洋Dr: 来週はうつ病のまとめということで、治療についてお話をしようと思います。

二見いすず: 来週もよろしくお願い致します。
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