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2023.1.28 第1030回放送分『子どもの不登校・ネット依存』4回目 ゲスト:生駒 季隆ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは、「子どもの不登校・ネット依存」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の生駒季隆(いこま すえたか)ドクターです。
生駒さん、どうぞよろしくお願いいたします。

生駒季隆Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、子どものいじめについてお話いただきました。
集団の中で、自分と少しだけ違うものを見つけると、そこからいじめにつながることがあるとのことでした。
繰り返し言われて教室にいるのがつらくなったら、保健室などの別室で過ごしたり、自宅で過ごしたりし、心の疲れがとれてまた元気になったら、教室に戻りましょうというお話でした。
最終週の今日は、何についてお話いただけますか?

生駒季隆Dr: 今日は、子どものネット依存についてお伝えします。

二見いすず: 第1週の際に、インターネットのゲームが男の子の不登校の一番の原因だというお話をされていましたが、結局それもネット依存ということですよね。
どうして依存してしまうのでしょうか?
コンテンツが魅力的で楽しいからということでしょうか?

生駒季隆Dr: もちろんコンテンツの面白さもあると思います。
ただこれはもう、子どもに限った話ではなく、大人にも当てはまるのですが、医学的に言うと、脳の中の線条体のドーパミンD2の受容体活性の低下が理由です。
簡単にいうと、たくさんドーパミンが出ても楽しめない状態になってしまい、「もっともっと強い刺激が欲しい!」となって、延々とネットの中をさまよってしまうんです。
そして怖いことに、これは薬物依存と同じ状態なんです。

二見いすず: そう言われると、怖いですね。
依存症を治すにはどうしたらよいのでしょうか?

生駒季隆Dr: 例えばゲームの場合だと、急激にゲームやめさせると禁断症状がでるので、段階的に時間を少なくしていくようにしましょう。
あとはネットを見る時間帯にも注意が必要です。
ゲームに限らず、youtubeなどの動画やSNSなどもそうですが、ネットを見すぎると、脳が興奮して寝るべき時間に寝られなくなります。
就寝時間前にはネットを見させないようにしましょう。

二見いすず: ただ今の時代、ネットを使う前提で生活が成り立っているようなところもあるので、完全に遮断することも難しいですよね。

生駒季隆Dr: そうですね。
だから子どもたちにネットを使わせる場合は、「必要最低限のときだけ」と、大人が指導していく必要があります。
とにかく最初が肝心です。
子どもにスマホを与える最初の段階で、「1日何時間以内という約束だよ。それを越えたら使わせないよ」としっかり伝えて、最初にブレーキをかけることが大切です。

二見いすず: 子どもに「ネットは見放題ではない」と最初に認識させることが必要なんですね。

生駒季隆Dr: はい。

二見いすず: 分かりました。
今月は「子どもの不登校・ネット依存」をテーマにお送りしました。
お話は、鹿児島県医師会の生駒季隆ドクターでした。
生駒さん、ありがとうございました。

生駒季隆Dr: ありがとうございました。