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2023.2.4 第1031回放送分『心筋症』1回目 ゲスト:樋口 公嗣ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは、「心筋症」をテーマにお送りいたします。
お話は、鹿児島県医師会の樋口公嗣(ひぐち こうじ)ドクターです。
樋口さん、どうぞよろしくお願いいたします。

樋口公嗣Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: まずは心筋症というのは、どういうものかについて教えていただけますか。

樋口公嗣Dr: はい。
心臓が血液を全身に送るときは、心臓の筋肉、心筋の働きが必要となりますが、この心筋に異常が起きて、心臓の働きに障害が起こるのが心筋症です。
心筋症の代表的なものには4つあります。

二見いすず: それぞれ教えてください。

樋口公嗣Dr: 肥大型心筋症、拡張型心筋症、拘束型心筋症、不整脈原性右室心筋症です。
このように特発性の心筋症としては4つありますが、中でも多いのが、肥大型心筋症と拡張型心筋症です。
心筋の働きは高血圧や心筋梗塞などによっても低下しますが、心筋症ではこうした原因がなくても心筋の働きが異常になることがあります。

二見いすず: 心筋症の中でも、肥大型心筋症と拡張型心筋症が多いとのことですが、それぞれどのように違うのでしょうか?

樋口公嗣Dr: 肥大型心筋症は、心室の壁が厚くなり、硬くなる病気です。

二見いすず: なにかが原因となって心筋が厚くなるのでしょうか?

樋口公嗣Dr: ほとんどは親から受け継がれた遺伝が多いです。
そのため小さい頃から筋肉が厚いことがあり、こうしたケースだと学校の検診で引っかかって判明することがあります。
親や兄弟の中で肥大型心筋症と診断された方がいらっしゃったら、検査されることをおすすめします。

二見いすず: わかりました。
もうひとつの拡張型心筋症はどのような状態なのでしょうか?

樋口公嗣Dr: 拡張型心筋症は、心臓の筋肉が薄くなり拡張して、収縮力が低下します。
全身に必要量の血液を送り出せなくなるんです。
ポンプの機能が悪くなって、心臓ががんばって対処しようとするのですが、そうなると心臓には負担がかかってしまいます。
そうした結果、心不全を引き起こしてしまうのです。

二見いすず: 拡張型心筋症も肥大型心筋症のように遺伝が多いのですか?

樋口公嗣Dr: 肥大型心筋症に比べたら、少ないわずかです。
拡張型心筋症は中年の患者さん50歳未満の成人に多く、男性に多い傾向がみられます。

二見いすず: そうなんですね。
心臓には毎日とてもお世話になりながらも、健康だったら、ほとんど意識せずに過ごしている方が多いと思います。

樋口公嗣Dr: 病気の中でも特に難しいですからね。
でも少しでも興味を持っていただき、お聞きいただければ幸いです。

二見いすず: 今月は「心筋症」をテーマにお送りしてまいります。
お話は、鹿児島県医師会の樋口公嗣ドクターでした。
樋口さん、ありがとうございました。

樋口公嗣Dr: ありがとうございました。