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2023.2.11 第1032回放送分『心筋症』2回目 ゲスト:樋口 公嗣ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは、「心筋症」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の樋口公嗣(ひぐち こうじ)ドクターです。
樋口さん、どうぞよろしくお願いいたします。

樋口公嗣Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、心筋症の中でも多い、肥大型心筋症と拡張型心筋症についてお話いただきました。
肥大型心筋症は、心室の壁が厚くなり硬くなる病気で、遺伝が多いため、親兄弟にこの病気の方がいらっしゃる場合は、検査をおすすめするというお話でした。
一方、拡張型心筋症は、心臓の筋肉が薄くなり拡張して、収縮力が低下し、全身に血液を送り出せなくなるというお話でした。
今日は何について教えていただけますか。

樋口公嗣Dr: 今日は、心筋症の症状についてお伝えします。
まず肥大型心筋症ですが、胸の痛みを訴える方が多いです。

二見いすず: 胸の痛みというのは、針で指したような感じの痛みなのでしょうか?

樋口公嗣Dr: どちらかというと、どこか1点というよりは、全体的に重苦しいと感じるようです。
よく、「胸に象がのっているみたい」と言われることがあります。

二見いすず: 胸に象ですか!?それは苦しいですね。

樋口公嗣Dr: そうですね。
そのほかには、動悸や息切れ、めまい、失神などが挙げられます。
運動中に亡くなられる方もいらっしゃる一方で、心臓のポンプ機能は悪くないため、無症状の方もいらっしゃいます。

二見いすず: 突然亡くなられる方もいらっしゃるのに、無症状の方もいらっしゃるんですね。
続いて、拡張型心筋症の症状について教えてください。

樋口公嗣Dr: 拡張型心筋症は、ポンプ機能の低下の影響で、動悸や、階段を昇るとせいせいするなどの息切れ、あと疲労感を感じます。
むくみは、特に足に出る人が多いですが、顔にむくみが出る人もいます。

二見いすず: 今お聞きした症状だと、慌てて救急車を呼ぶというほどでもないのでしょうか?

樋口公嗣Dr: そうですね。
かかりつけ医に診ていただければと思います。
しかし、安静時にも息切れするようなら、だいぶ進行している状態です。
あと、横になるのではなく、起き上がるとラクに感じるのなら、早めに病院に行きましょう。
強い胸の痛みを感じるときは、心筋梗塞の可能性があるので救急車を呼んでください。

二見いすず: 普通、体調が悪いときは、「横になるとラクで、起き上がるとしんどい」と感じることが多いですが、拡張型心筋症による心不全だと逆で、横になるよりも起き上がる方がラクに感じるんですね。

樋口公嗣Dr: そうですね。
重症の場合だと、仰向けに寝ると息苦しくなることがあります。
覚えておいてください。

二見いすず: わかりました。
今月は「心筋症」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の樋口公嗣ドクターでした。
樋口さん、ありがとうございました。

樋口公嗣Dr: ありがとうございました。