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2023.2.18 第1033回放送分『心筋症』3回目 ゲスト:樋口 公嗣ドクター

二見いすず: 今月のドクタートークは、「心筋症」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の樋口公嗣(ひぐち こうじ)ドクターです。
樋口さん、どうぞよろしくお願いいたします。

樋口公嗣Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、心筋症の症状について教えていただきました。
肥大型心筋症の場合は、胸の痛み、それもどこか1点というよりは全体的に重苦しく、「胸に象がのっているようだ」と訴えられる方が多いということでした。
そのほかには、動悸や息切れ、めまい、失神などがあるという内容でした。
一方、拡張型心筋症は、動悸や、階段を昇るとせいせいするなどの息切れ、疲労感、そしてむくみが出る方がいらっしゃるというお話でした。
今日は何について教えていただけますか。

樋口公嗣Dr: 今日は心筋症の検査についてお伝えします。
まず、先ほど二見さんがおさらいしてくださった症状があった場合、かかりつけ医にて検査していただければと思います。

二見いすず: かかりつけ医ではどのような検査をするのでしょうか。

樋口公嗣Dr: 検査は、採血、検尿、心電図、心臓エコー、胸のレントゲンです。
ここで何が分かるかというと、形態的なもの、これは厚さ薄さについてと、機能的なもの、これはポンプ機能についてです。
これらのことが分かります。

二見いすず: 第一週でお伝えしましたが、肥大型心筋症は、心室の壁が厚くなり、硬くなる病気。
一方、拡張型心筋症は、心臓の筋肉が薄くなり拡張するということでしたね。

樋口公嗣Dr: はい。
おっしゃるとおり、これらの検査で肥大型心筋症なのか拡張型心筋症なのかが分かります。
あとは、不整脈があるかどうか、胸のレントゲンで心拡大をみたりします。

二見いすず: 樋口さんは大学病院にいらっしゃいますが、大学病院などではどのような検査をするのでしょうか?

樋口公嗣Dr: 心臓以外になんらかの原因がないかを探るための特殊な採血をします。
肥大型心筋症も拡張型心筋症も、原因は心臓そのものにあります。
しかし、全身疾患の結果として、心臓に病気が起こることもあるからです。
これを二次性心筋症といいます。
二次性心筋症には、昨年お亡くなりになったプロレスラーのアントニオ猪木さんが患っていた、心アミロイドーシスやファブリー病などの病気があります。

二見いすず: 大学病院では、そのような病気の可能性を除外するための検査も行っていくということでよろしいでしょうか?

樋口公嗣Dr: そうですね。
採血以外にも24時間のホルター心電図や心臓のMRI、あとご家族の病歴を詳しくお聞きしていきます。

二見いすず: 普通、体調が悪いときは、「横になるとラクで、起き上がるとしんどい」と感じることが多いですが、拡張型心筋症による心不全だと逆で、横になるよりも起き上がる方がラクに感じるんですね。

樋口公嗣Dr: そうですね。
重症の場合だと、仰向けに寝ると息苦しくなることがあります。
覚えておいてください。

二見いすず: 分かりました。
今月は「心筋症」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の樋口公嗣ドクターでした。
樋口さん、ありがとうございました。

樋口公嗣Dr: ありがとうございました。